台本小説

□消えて行く【ゼオチト】
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チトセが消える

ゼオ「チトセーおはよ…あれ?」

ゼオ「いない…」

エル『あ?こっちには来てねぇぞ』
ゼオ「そっか…」
エル『…急にいなくなるなんてそんな馬鹿なことしないだろうしなんかあったなら誰かに拉致られたとかか?…まぁとにかく探してやるよ』
ゼオ「ごめんね、ありがとう」

1週間後
ゼオ「…仕事も全然集中出来ないし…チトセいないし…ご飯食べてないし…」
ヤタ「あいつがいなくとも食べれるだろ」
リノア「暫くエルラードさん達のお家にいたらどうですの?」
ゼオ「チトセが居ないんじゃ…」
リノア「ゼオさん…」
ヤタ「…私達も出来る限りのことはしよう」
ゼオ「助かるよ」
リノア「ご飯なら私も作れますしっ」
ゼオ「じ、自分でどうにかするからそれは大丈夫…」
リノア「ですか…」

更に1週間後
ゼオ「何でいないんだ…チトセ…なんで…」
アイ「今日のご飯ね…」
ゼオ「ありがと…」
アイ「あと…少し…寝た方がいいよ?」
ゼオ「…」

更に1ヶ月後
ゼオ「…チトセ…こんなに探しても見つかんないって…」
リノア「す、凄い隈ですわよ?寝ていないのでは…っ」
ゼオ「寝れるわけがないでしょ…」
ヤタ「おい、見つかるかもしれんぞ」
ゼオ「えっ!?」
ロア「…どうも」
ゼオ「ロアくん?」
ロア「…もし、もしもこの魔法でチトセが見つかったら…死んだ、と思ってくれ」
ゼオ「なっ」
ロア「時神に聞いてみたけど生者を見つける魔法でしか探していないと…だから」
ゼオ「……」
リノア「そんなの…ほ、他の世界にいるとかは無いのですかっ?」
ロア「別世界?…さぁ、俺様が探せる範囲はこの世界の死者のみだから」
ヤタ「では先に別世界の生者でも調べんとな」
ゼオ「いや、先に調べよう」
ロア「いい…のか?」
ゼオ「…あぁ、居なかったら…チトセは生きてることになる」
ロア「じゃあ、始める」

ロア「っ!!」
リノア「どうだったんですのっ?」
ロア「チトセ…チトセが…いる…」
ゼオ「な…」
ヤタ「場所はどこだ」
ロア「…」下を指さす
ゼオ「下…?まさか!」
ロア「そのまさか、この下にいる…急いで!」
ヤタ「急げだと…っ?」

ゼオ「チトセ!!」
リノア「ここは…っ!?」
ヤタ「このギルドの地下にこんな場所が…」
ロア「チトセはまだ生きてるよ」
ゼオ「ほんとに…」
ロア「今は寝てるだけみたいだ、だけど死人と同じ状況になってたから生者では見つけられなかった」
ゼオ「良かった…チトセ…」
リノア「早速ここを開けないと…!」
ロア「どうやってあけるんだこれ…」
ヤタ「なんだ知らないのか」
ロア「俺様は暗殺ギルドなんて生まれてこの方入ったこと無かったんでね」
ゼオ「いや、俺たちでも分かんないよ」
リノア「そんな…」
ヤタ「壊してはいけないのか?」
ゼオ「うーん…ダメだと思うんだよね…」
ロア「じゃあこの機械にパスワード入れれば?」
ゼオ「それ見つけたなら早く言ってよ」
ヤタ「本当だな」
ロア「見つけたのにそれは酷いっ」
ゼオ「たしかこれだった気がする」
リノア「ぜ、ゼオさん…!」
ゼオ「こんな時に…」
ヤタ「危険種がギルド内に入るとはどういうことだ」
ロア「バレたのかもな…急げ!」
ゼオ「分かってるけど解除方法が…っ」
リノア「ええいさっさと殺しますわよ!」
ヤタ「了解した」
ゼオ「こ、これだ!」
ロア「!チトセっ!」
チトセ「…」
ゼオ「冷た…ほ、ほんとに大丈夫なのっ?」
ロア「急いで時神のとこ連れてかないと!」
ヤタ「ここは我々に任せろ」
リノア「余裕ですわ!」

ロア「助けろ!」
エル「見つかったのか!?」
イアン「チトセっ」
ゼオ「早く!!」
エル「わ、分かった…ひどく冷えてるな…」

エル「…終わったぞ、ほら起きろ」
チトセ「んぁ…?」
ゼオ「ちと…せ…」
チトセ「…?」
エル「暫くぼーっとしてるだろうがほっときゃ治るぞ」
ゼオ「ありがとう…チトセ…良かった…チトセがいる」
チトセ「くっつくなよ…」

ムーン「という夢を見たのさ!!」
チトセ「てめぇの夢かよ死ねっっ!!」


ゼオが消える

チトセ「ぜ…お…?」
ゼオ「ごめんチトセ、ちょっとまずっちゃった」
チトセ「い、今治すから…!」
ゼオ「無理だよ」
チトセ「なんで…!」
ゼオ「俺に魔法が届かなくなってる」
チトセ「そんな事…!エル、エルなら…」
ゼオ「チトセ聞いて」
チトセ「やだ、やだぁ…」
ゼオ「泣かないで、チトセ…俺はチトセと会えて本当に…良かったよ」
チトセ「やめろ…言うな…っ」
ゼオ「出来ればもっと一緒にいたかったけど…もう、出来そうにないね…」
チトセ「っ…」
ゼオ「ね…ちとせ、は…俺とあえて、よかった?」
チトセ「…こんなに、苦しくなるなんて…思ってなかった…良くなんて、良くなんてない…!離れたくない…!」
ゼオ「…チトセ…───」
チトセ「ぜっ…」

チトセ「…」
エル「チトセ、死者は戻らない、そう決まってる、いい加減諦めろ」
チトセ「…」
エル「おい聞いてんのか」
チトセ「…」
エル「チトセ!」
チトセ「黙れ!!」
エル「ぐ…っ!」
イアン「!エル下がってろ」
エル「イアン…?お、おいバカっ」
イアン「落ち着け」
チトセ「っ!」
イアン「俺達はこの程度じゃ死なない、だが人間はこの程度の怪我で死ぬ」
チトセ「が…ぁ…」
イアン「例え戻ってきたってすぐに死ぬんだ、俺達は生まれてきた時から死を約束されている」
チトセ「でも…」
イアン「現実を見ろ、これ以上…ほかのヤツらに心配かけさせんな」
チトセ「…」
イアン「ただ、俺には何言っても構わない、父さんだからな」
チトセ「親父……」
エル「…その本はもういいな」
チトセ「あぁ…ごめん」
エル「いいんだ、気持ちは…分かるから」
チトセ「…」

デン「チトセくん大丈夫、ですか?」
チトセ「あぁ、うるせぇのが消えて楽してる」
ムーン「ちーたん、ムーンちゃん達には素直に言っていいんだよー?何年一緒にいると思ってんのさっ!」
チトセ「うっせ」
デン「でもチトセくん、前よりは顔色良くなってますね」
チトセ「そう、なのか?」
ムーン「前は今にも死にそうな顔してた!」
チトセ「…な、なんかすまん」
ムーン「ほんとだよっ」
デン「でも、まだ苦しんでいるなら…相談ぐらいは聞かせてくださいね」
ムーン「友達だからねっ」
チトセ「おう」

チトセ(それでもやっぱり、あいつがいないと退屈だ…いつからこうなってたんだろうか)
「ゼオ…」
(今更遅いけど、俺は…)
「俺は、お前に会えて…良かったって思ってる…お前のこと好きで好きでたまらないのに、居なくなってからじゃないと言えないなんてほんと…意味が無いよな…こんな奴でごめんな…ゼオ…愛して……愛してた。」



ゼオ「チトセはそんな夢を見たの?」
チトセ「現実にしてやろうか。」
ゼオ「あんなこと言われたあとじゃなんにも効かないよ!!」
チトセ「む……ゼオ好き」
ゼオ「え」
チトセ「隙だらけだ」
ゼオ「ぐはっ!」
ムーン「あー今日も妄想が捗るわぁ」
チトセ「結局お前の妄想かよ」

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