長編
□Inperfect hearts #3
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愛菜side
菜々はいつ目を覚ますんやろか。
心配で心配で、そばを離れられへんかった。
「…しゃーか?どぉこいったの??あ…!」
ようやく菜々が目を覚ましたのは四時間後のことやった。
幼いころの彩との夢を見ていたんだろう。
やっぱり話さないほうがええんとちゃうかなとさっきの決意が崩れかけた時、美優紀に背中をたたかれた。
「…なあ菜々。聞いてほしいことがあるんやけど」
「どしたん?」
「さっき彩の姿見たやろ?実はな彩、この村に戻ってきてん。でもな、それには理由があって。彩な、向こうで自殺未遂したんよ。詳しいことは話してくれへんねんけど、いじめにあってたらしいんよ。ほんでな、その自殺未遂のショックでここにいた時の記憶がなくなってもうたみたいなんや」
「…………そう…なんやっ」
上ずった声でそう言った菜々。
泣くのを我慢してるようやった。
それでも感情は正直でどんどん涙があふれだして、美優紀にぎゅってされながら号泣していた。
菜々がこんなに感情をあらわにするのはいつぶりやろか。
やっぱり伝えんかったほうがよかったんやないかと思ってしまった。
ひとしきり泣いた後、菜々は黙り込んでなにかを考えているようやった。
「ごめんな」
なんでそういったのかはわからないけど、口から謝罪の言葉が出ていた。
「なんで愛菜くんが誤るん?なっちゃたもんはしゃーないやんか。」
俺が思っとったより、菜々は大人になっていたようや。なんか寂しいなあ。
でも、菜々が壊れちゃわなくて安心や