長編

□Inperfect hearts #4
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美優紀side






「はぁ…」


家に帰ってきてまず出たのはため息。
今日はいろいろありすぎた。
彩ちゃんが戻ってくることも、記憶喪失になっているかもしれないことも全部知ってはいた。
やけど、本当にこっちにいたときの記憶だけ失ってしまっているのは悲しかった。





何より、あんなに苦しそうな菜々ちゃんを見とることしかできへんのが辛かった。
彩と約束したから頑張るんやってずっと言っとったのに。
愛菜にはあんな自信満々に菜々ちゃんに彩ちゃんのこと伝えるべきやって言ったけど、やっぱり言わないほうがよかったんかなぁ。





どうするべきだったんだろう。
考えても考えても出ない答えに腹が立ってくる。
今までならこんなとき朱里に相談してたけど、朱里は受験生だから迷惑かけたくないしな…





「おねーちゃん!どーしたん?」
「!?朱里!!!なんで?」




私は悩んでることを悟られないように頑張っていつも通りの返事をした。




「なんか悩んでるんやろ?」





なんでわかったんや、こいつは神なんか?





「…どーしてわかったん?」
「やっておねーちゃん、呼んでも全く気付かなかったんやもん」






あ、私、呼ばれてたんや。
まあ、いっかー
悩んでるのばれちゃったし朱里に相談しよう。
どうせ朱里にも彩ちゃんのこと伝えなあかんねんもんな。
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