長編

□Inperfect hearts #2
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菜々side



今日も屋上に来とった。
一週間前に発作を起こしてから毎日ここにおる。
自分の人生の半分は病院で過ごしてるんちゃうかなと思うくらい病院におる。
でもそれはしゃーないことや。…だって私は心臓病やから。




入院してる間、毎日屋上に来るんは村が見渡せるから。
いつもならアカリンとかまーちゅんとか里香とかが毎日来てくれてたけど、今は来おへん。
やってみんな受験生やから。




春になったらみんな大学に行ってしまう。
この村には大学なんてない。
高校すら一個しかないような田舎や。
つまり、春になったらみんな町の大学に行く。
1人になってまうんやな。
寂しい。寂しいけど…みんなには将来があるんやから。





何度考えたんやろう…
もし自分がみんなみたいに元気やったら。
どんな今とは違う人生があって、どんなに楽しかったんか。
なんで私ばっかり我慢して苦しまなあかんのか
もういっそ苦しくなろうが何だろうが走り回って発作を起こして死んでまおうかとも思った。




…でも、そんなことできひんかった。
みんながいるから。
なにより、彩と約束したから。
まあ、彩はもう忘れてるやろうし戻ってもこおへんやろうけど。





あ、電車がついた。
あれが彩を連れて行って、今度はみんなも連れて行ってしまうんや。
普段は誰も降りてくることのない、この時間の電車。




…あれ?誰か降りてきた。誰やろ??









…………え?彩???????
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