短編
□思い出のそばで
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ピロン…
携帯の着信音がして中を見ると山田とのツーショットが目に飛び込む。山田と最後におなじNMBのメンバーとして撮った写真だ。
はあ、懐かしいなぁ…。なんて思ってる場合じゃなくて…えっと……ああ、着信来てたんだった。
「って、なんだよ山田からか」
「さや姉ー、久々にご飯行かない?」
行きたい。行きたいよ、山田。
あんたが今、私のことどう思ってるのか知らないけど、少なくとも私はあんたが卒業してからもずっと山田が好きだ。
そう、私たちは付き合ってたんだ。いや、厳密に言えば今も別れてはいない。でも自然消滅みたいな感じで会わなくなって、段々と連絡すら取り合わなくなった。
でもずっと引きずってるから、好きだから私の待受は変わらないまま山田との画像だ。
会いたい。会いたい。山田、好きだ。
直接言いたいと思った。言えるほどの勇気はないんだけど、まだ別れてはいないんだから
ここまで来たら返信はもう決まっていた。
「今から、行く」
今日だけは素直になって思い伝えられたらな