きみと私と……

□転校生
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「夏目 貴志です。よろしくお願いします。」

「みんな夏目くんと仲良くしようね!」

ミナコ先生は、黒板前に立つ夏目貴志くんを紹介した。

「夏目くんの席は、三上ちゃんの隣の席よ!
三上ちゃん、いろいろ教えて上げてね。」

先生は、私にウインクした。

確かに、私の隣の席は空いている。
なるほど、夏目くん……いや、貴志くんの席だったのね

「三上ちゃん、手を上げて」

「あ、はい。三上 千鶴です。」

席を立ち、手を上げる。

貴志くんは、コクリと頷いてこちらに歩いてきた。

貴志くんが席についたので話しかけた。

「貴志くん、よろしくね。千鶴って呼んで。」

「あ、うん。よろしく、千鶴ちゃん。」

貴志くんは、少したどたどしかった。

「それじゃあ、一時間目の準備してね!!一時間目は国語よ!」


「「はーい!」」

みんなは、がちゃがちゃと教科書なんかを準備した。



「貴志くんは、国語好き?」

「え?あ、どうだろう……?」

貴志くんの目は泳いでいた。

小さく笑ってしまった。

「考えたことない?私は、好きだよ。
本を読むのが好きなんだ。」

「あ、うん。」

「貴志くんは、本読むの好き?
あとで図書室に行こう。」

「うん、ありがとう」


二人でニコニコと喋っていると、ユキちゃんがやってきたようだ。


「夏目くん、よろしくね!私、ユキ!!」


ユキちゃんと貴志くん仲良くなれるといいなぁ

もちろん、私も。
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