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□雄英の教師が現れた!
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▼要塞高校校門
「あ、かしわもち先生いーところに。助けてください」
「誰がかしわもちだ、名無し───、あ?どちら様?」
「ヒーロー様」
「はぁ?冗談も程々にしろよ?碇のアホがうつったか?」
「先生、冗談違う。これまじ」
「急に片言になりやがって、嘘つくの下手だな」
「嘘じゃねーのに…相澤先生も何か言ってください」
「どうも、うちの名無しがお世話になってます」
「うちの名無し?…お前一人暮らしじゃかなったか?」
「相澤先生、嘘はやめてください。かしわもち先生頭弱いから」
「あー!言ったな!?もう奢ってやんねー」
「嘘うそ、先生嘘だから。超頭いー、天才」
「棒読みなのは目をつぶろう。今日駅前のカフェいくか?」
「先生大好き」
「……」(ピクッ)
「おう!喜べよろこべ」
「名無しに餌付けしないでいだきたいんだが」
「…さっきからあんた誰なんだ。名無しが助けてなんて言ったからにはヒーローじゃないんだろ?」
「先生。あれにあんな深い意味ないです」
「えっ」
「こちら、雄英高校の相澤……相澤…?…相澤先生」
「相澤消太です」
「雄英!?すっ、すいません。なめた口を…」
「すみません。悪い人じゃないんです。ちょっと再生に似てるところが…っていうか、再生の叔父さんです」
「停止の…」
「はい!うちの甥っ子がお世話になってます!先生のことは再生から聞いてましたが…まじで名無しに似てるな」
「!(名無し…?)」
「似てねぇ。あと名前」
「あ、わり。癖で…って、先生は何故こちらに?」
「名無し……名無しを迎えに」
「ぇ…(気のせいか?)」
「迎えに?おい名無し、お前この先生とどんな関係?援助交際?」
「先生馬鹿ですか?教師が言う言葉じゃないでしょ」
「だって!うちの、とか迎えにきた、とか…しかも名前呼びだし!」
「あ、気のせいじゃなかった」
「俺と名無しの仲ですから」
「どんな仲なんですか……」
「認めねぇぞ俺は!たとえ相手が雄英の教師だからって!男と付き合うこたぁねぇだろ!」
「付き合ってねーし。先生のおちゃめだし」
「おちゃめな割りに目がガチだった!」
「いつもだ」
「おい名無し、帰んぞ」
「ほらぁ!帰んぞってぇえ!いつの間に同棲まで進んでんだよぉ!?」
「相澤先生、冗談もそこまでにしてください。いくら再生に似てるからって、大人ですよ」
「冗談なんて言ってねぇ」
「え、あっ。ちょっと、先生引っ張んないでください」
「ガキはもう帰る時間だ」
「けど、先生との約束が…」
「駅前のカフェだろ?俺がいくらでも連れてってやる」
「そんな…」
「あぁっ、あんなに可愛かった名無しが……大人の毒牙にっ…!」
「先生助けて。ガチなほうで」
「あの頃は良かったなぁ…望月が言えなくて、もちー、もちーって…」
「いつの話を…早く助けて」
「諦めろ。今日もお前ん家に泊まるから」
「…はい」
「戻ってこぉおい!可愛かった時の名無しぃ!」
あとがき
最初は名無しくんの担任の先生と、相澤先生による名無しくんの取り合いにする予定だったのですが…書きながら考えていたため、大幅に違うものが出来上がりました。
文中に出てきた碇というのは、名無しくんのクラスメイトの碇海斗という先輩です。クラスメイトなのに先輩はおかしいかと思いますが、いずれ短編で説明します。
かしわもち先生。別名、柏木望月(かしわぎもちづき)と言います。再生の母親の兄です。個性はタイミング。再生と似通っている部分が多々あります。