Hero’s

□「俺がプレゼント」と言う
2ページ/3ページ

☞プレゼント・マイク×名無しの場合
7月7日


「HAPPY BIRTHDAY!俺!!」

「……はぁ(………あぁ、プレゼント・マイクか)」

「COOL!HEY名無し!プレゼントはお前でイイゼ!!」

「あげませんよ」

「SHIT!」

「お前でって言ってるあたり、俺で妥協してやるみたいな感じだし」

「ソーリー名無し!お前が欲しい!」

「まぁ言い直してもあげませんけど」

「エ!?今の絶対くれる流れだった!!」

「俺プレゼントのバイトとかしてないんで」

「じゃー俺んとこに永久就職するか?」(訳:嫁にくるか?)

「まだ就職の時期じゃないんで(雄英で働くとか無理)」

「時期になったら(嫁に)来てくれんのか!」

「は?時期になったら違うとこに就職しますよ」

「WHAT!?まさか消太んトコに……!」

「何言って……」

「消太より俺のワイフになった方がイイゼ!ナ?」

「ワイフ…嫁?意味わかんね」

「まぁともかく!今日は俺のBIRTHDAYだ!祝ってくれるよなァ?」

「何が望みですか」

「ンー…俺の言うことを今日1日聞いてくれ!」

「(嫌な予感しかしない)まぁ、聞ける範囲なら」

「じゃあデート!デートしようぜ」

「学校は?」

「今日は非番なんだYO!」

「俺があります」

「サボれ!」

「却下」

「NOOOOOOO!!」

「うるせぇです」

「1日くれーいいだろー!」

「一応優等生なんで」

「ヤダね!年に1度の俺の誕生日なんだ!」

「みんな年に1度ですから。じゃ、俺学校あるんで」

「WAIT!」(ガシッ)

「…学校遅れるんですけど」

『学校に行くより、俺とイイコトしようゼ?』(ボソ)

「〜〜っ!」(ゾクッ)

『おっとォ、どうしたんだ?足腰立たなくなったか?』(ニタリ)

「く、そ…っ」

『そんな状態で学校なんか行けねェよなァ?』

「ひっ…わかっ、た、から…その声っ、やめ…っ」

「YEAH!今日1日は俺とイッショな!」

「はあ…連絡するんで静かにしてください」

「オーケー!」


────────
────



「……終わりましたよ」

「ホラ、デート!早く着替えて行くぞ!」

「俺サボってる身なんですが」

「アウチ!」

「…まず俺着替えてくるんで。どっかで待ってて下さい」

「ダメだ!今日はずっとイッショだからな!」

「あ…そうだった」

「ヨシ、家行くぞ!」

「えぇ…(家は教えたくなかった)」


▼名無しの家


「さすがに部屋まで入ってこないですよね」

「何言ってんだ!入るに決まってんだろ」

「プライバシー…」

「見られて困るモンなんかねェよな!男同士なんだし!」

「着替え…」

「俺が手伝ってやるYO!」

「結構です」

「エンリョすんなって」

「別にしてな──」

「ホラホラ、入った入った!」(グイグイ)

「うわっ、ちょっ」





「ウーン、黒ばっかダナー」

「…服は着れればいいですよ」

「消太と同じこと言いやがって!」

「(相澤先生もか…)」

「決めた!」

「何です?」

「今日はお前をコーディネートしてやる!」

「は?」

「そうときまればGO SHOPPING!」

「えぇ…」


▼服屋


「まじすか」

「マジマジ」

「ぜってー高いとこですよね」

「気にすんなって、俺が出すから」

「いやです。つーか今日はあんたの誕生日でしょうが。奢られるなんてだめです」

「……」

「なんですか。口尖らせてもだめ──」

『だったら俺のこと、あんたじゃなくて名前で呼べよ』(ボソ)

「っ!だから…!」

「プリーズコールミー!」

「……プレゼント・マイク」

「NO!」

「は?ちゃんと呼びましたよ」

「俺の本名!山田ひざし。ひざしって呼べ!」

「ひざしさん?」

「オォ…」

「どうかしました?」

「何か、イイナ」

「はあ…」

「じゃ、行くぞ」

「あ、ちょっと…」





「ンー、どれがいい?」

「…とりあえず今手にしてるジャケットは嫌です」

「似合うって!」

「似合う似合わないの問題じゃない。値段の問題です。さすがに俺では買えません」

「ダーカーラー!俺が買うって」

「それはだめって言ってんでしょうが」

「別に誕生日だからって、俺がしたいことしてんだからいーの!」

「俺なんかにお金使わないでください」

「いーや!名無しに俺が選んだ服着てもらってデートするんだもんね!」

「頑固ですよ」

「我等の方こそ、そろそろ折れろ!」

「いや、…(これじゃキリがない)はぁ、わかりました」

「ほんとか!」

「けど、あんまり高いのはだめですよ。働いて返しますから」

「真面目ダナァ」

「当たり前のことです」

「働いて返すってことは、それまで縁は続いてるってことか?」

「…だめですか?」(コテン)

「〜〜っ!だめじゃない!」

「なら、よかった」

「(素直になった名無し、超キュート……!)」

「あ、ひざしさん。これがいいです」

「ンン…っ!アァ!似合うぜ!」

「(あとはどうしよう…)」


▼カフェ


「ありがとうございました。なんか…こんな沢山」

「オゥ!俺が選んだ服だからな!似合うに決まってる」

「2、3着だけ選ぼうとしたのに…ひざしさんがどんどんカゴに入れるから」

「つい気合いが入ってな」

「全額返すのに何年かかるか…」

「まだそんなこと言ってんのかヨ!」

「はい」

「俺はもう満足してっけどナ!」

「ただお金使っただけなのに?」

「お前に使うから意味あんの」

「え?」

「ホラ!なんか好きなモン頼めよ」

「さすがにここも奢って貰うのは…」

「いいからいいから!」

「でも、」

「じゃあ、俺が頼むから半分こしようゼ」

「え」

「スイマセーン、これとこれくださーい」

「……ありがとう、ございます」

「どーいましまして!」


────────
────



「ホラ、名無し。アーン」

「何でですか」

「エ?何がだ?」

「いや、これ」

「ン?」

「…ぁ、あーんって」

「半分こすんだろ?」

「だからって、」

「アーン」

「男同士のそれは見苦しいです。公共の場ですよ」

「気にすんなって。見てみろよ。みんなソワソワしてっから」

「え……、何で」

「お前が食べんのを待ってンの」

「謎」

「いいからホラ!アーン」

「……ぁ、んっ」

「ウマイか?」

「ん」(訳:はい)

「そっか!」

「…さっきからシャッター音が……」

「ンー?そうかァ?(そーゆー奴ら(腐女子)がいるって知らねェのか)」

「ひざしさん、フォーク貸してください」

「ア?」

「……はい」

「な、名無し?」

「口開けてください」

「へっ…!?」

「やられてばっかは悔しいんで」(ニッ)

「〜〜〜っ!!」(カァァ)

「ほら、口開けて」

「ぁ、あ」

「あーん」

「…ン」

「え、さっきよりシャッター音すご…」

「アー……(天然かよ)」(カァァァア)

「ひざしさん?どうしました?」

「イヤ……何でもねェ。次…次の場所行こう…」

「あ、はい(元気ないな…)」


▼アクセサリーショップ


「ひざしさん、だめですよ」

「エ?」

「女性に送るために入るならいいですけど、まさか…」

「もちろん!お前のためだゼ?」

「帰りましょう」

「ヤーダネ」(ガシッ)

「離してください」

『抵抗すんなって。オシオキするぞ?』(ニヤリ)

「ぁっ…。〜〜〜っ!このっ…」

「LET'S GO!」





「どれがイイ?」

「いりません」

「そんなコト言うなって」

「今日なんの日か分かってますか?誕生日ですよ、ひざしさんの」

「オゥ、知ってる」

「なのに俺にお金使ってばっかり…楽しいですか?」

「お前は…お前と2人きりの時間がどんだけ価値のあるモンか分かってるか?」

「は?」

「服よりもアクセサリーよりも、よっぽど高いんだぞ?お前は」

「そんなわけ…」

「あるっつーの!だから今日ぐらい、お前を俺の好きにさせてくれ」

「…つまり、俺が誕生日プレゼントですか?」

「ソウ!」

「はぁぁ……わかりました」

「ヤッタ!」

「…働いて返しますから」

「ハイハイ」

「…で、どれがいいですか」

「ン?名無しが選んでいいぞ!」

「(……安くてデザインがいいやつ…それと…)あ、」

「早いナ。あったか?」

「ひざしさん、これ。これにします」

「ピアス?」

「はい。これならあまり高くないし、デザインもいいですし、」

「値段は気にしなくていいんだゼ?」

「…それに、2人で付けられますから」

「……へ?」

「半分こ、しましょう?」

「〜〜っ!」(カァァア)

「うわっ、またシャッター音…」

「名無しぃ!」(ガバッ)

「えっ、ちょっ…」

「ダイスキ!!」(ギュゥウ)

「ひざしさんっ…!ここ、店ん中…!」

『名無し、好きダ…』

「へっ…」(ゾクッ)

『なァ、キスしたい』

「っ…だ、だめ…!」

『名無しぃ…シたい』

「ひっ…(くそっ…!力、はいんね…っ)」(ガクッ)

「おっとォ…ここはギャラリーが多いからなァ?コレ買ったら家行くぞ?」(ニヤリ)

「もっ、やぁ…(写真、撮られてる…)」

「(さてと…どーしよーかなァ?)」


▷強引なプレゼント・マイクと、不意打ちかます名無しくん
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ