守られたくない姫

□2話
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いかないで!

いやだよ!

わたしを…。


ピッry((カチっ

…はぁっ。
海はため息をついた。
夢を見てない、現実をみた。

忘れるなとお前は狙われてると。
海は手の平のやけどを手袋して隠した見たくもない、いっそう手を切りたい気分だ。けどそう思ってはいけない。

罪を忘れないために。


海はスポーツウェアを着てまだ朝が開けていない世界に走り出す。走りながら今日の予定を整理する。海は商店街に行きスタッフ達のご飯の食材調達を始める。
「はいよ!お嬢ちゃん美人さんだから
おまけしとくよ!」
「ありがとうございます(笑)」
「あんたら撮影スタッフのもんだろ?」
「はい、迷惑かけてすみません。」
「なぁに、大したことないさ!
いい写真撮りなよ!」
「もちろんです!」
海は微笑みながら荷物を荷台にのせて走り出した。途中で砂浜をあるいていく。

こういうのを幻想的と言うんだろうな人間がいなくなったらこんな景色がもっと綺麗になるんだろうな…。
海は眺めながら宿に戻った。

お風呂場に入りシャワーを浴びた。
さすがに汗臭いなか仕事できない(汗)風呂からあがり部屋に戻り服を着て、厨房に向かった。まだみんな起きてない、当たり前だ昨日いろいろ大変だしまだ撮影には時間がある。

朝御飯は洋食か和食か選べるようにしとこう。海はそう思いながら食材を切っていく。ガチャガチャしていると心咲が起きてきた、心咲は海が作ったおかずを食べたらデコピンが降ってきた。
「いた〜い、」
「なにつまみ食いしてるんですか…」
「だって美味しそうだったからつい、」「つい、じゃないですよ…ほら手伝って」
「はいはいさ〜」

心咲は適当な返事をしているがちゃんとする人だと海は知っている。料理の手順を教えて二人で取りかかった。

そうもうしていると匂いでつられるのかぞろぞろと起きてきた。
だが、ただ一人起きてこないのがいる…。海はしょうがないとため息をこぼし水鉄砲の中に水と酢を入れて心咲にこれで流を起こしてくるよう声をかけた。スタッフのみんながまたかという顔しているが海は知らん顔で洗濯物を回している。

数秒後に流の叫び声もしても知らん顔であった。そしてスタッフ達は微かにこう心で呟いた。

[海に絶対に喧嘩を売ってはいけない]


手段を選べばないのが空崎兄妹だ。
ともにボクシング空手柔道合気道フィッシング剣道など習ってすべて完璧にこなして止めている。前喧嘩したときもいい争いだけでもすごかったとスタッフ達が声をあげる、そんなこんなで今から起きる喧嘩は穏便には終わらないだろうと悟るスタッフ達であった。
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