守られたくない姫

□1話
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白い砂浜。

青い海。

そして…。

「れいちゃんスペシャルアタック!」
「ってぇ!このやろう!」
「二人とも日焼けするよ…。」
「ふっ美風ほっとけ。」

カルテットナイト様。

海は内心ガッツポーズをしながら流と話し込んでいる。流はため息をこぼしながら頭を叩き機材を運ぶよう指示だした。海は一瞬嫌な顔したが、仕事のため作業に移った。

重そうな機材を軽々と持ち上げ足場が悪い砂浜を歩き出す。けどこの仕事も悪くなく嬉々として進める。
終わりが見えたところで流に呼ばれた。

「終わったか?」
「終わったか?ではなく終わらせろでしょ?」
海は流に悪態をついたがそれを流は流しカメラを渡した。
「スタジオのセッティングをしてくるからお前はプライベートの写真撮っとけ。」
「セッティングなら私も行くのに。」
「いいや、プライベートの写真はお前の方が得意だろ。安心しろ、ちゃんと仕事は残しとく。」
「いや、遠慮します。(キッパリ」

海は流の後ろ姿を見送った。そしてカメラを見た。ちゃんと愛用しているカメラである。海はカメラを撫で微笑みながらカルテットナイト達にピントを合わせた。

冷えピタを張り日陰にいる美風様
その隣で優雅にティータイムを楽しむカミュ様
寿さまに煽られて海で遊ぶ霧島様

みんなモデルみたいにつくり笑顔もかっこいいが私はプライベートの笑顔が素敵だなと思いシャッターを押す。

もちろんバレないように無音にしている。それを知っているスタッフ達も気づかれないよう作業している。

そしたら、嶺二が海のカメラに気づきとびっきりの笑顔でピースしてカメラに向かって笑った。

カシャッ

「アシスタントちゃん!かっこよく撮れたー?」
「はい。ちゃんと撮れましたよ。」
海は微笑みながら答えたら嶺二は笑いながらよかったと笑った。
あぁこの笑顔も撮りたいと思いカメラを構えたら。

ボンッ!
前を向いたら嶺二が海に浮かんでいた。後ろを見たらビーチボールを投げてきた蘭丸がいた。嶺二はすぐに起き上がり蘭丸に噛みついた。
「ちょっと不意打ちはズルい!」
「油断してるやつが悪い!おいカメラマン、もう一回当てるから間抜け姿を撮れ。」
「ちょっまっ、アシスタントちゃんもカメラを構えないで!」
「問答無用だ!」
「ギャー!」


楽しい。美しいな。
本当に変わったな。昔のカルテットナイト様達もよかったいたが最近は団結力や雰囲気が変わった。これも後輩グループスターリッシュや新人の作曲家さんのお陰かな…。海はしみじみ思っているとインカムがなった。

『どうしたの?』
『プライベートだいたい撮ったら切り上げてこい。カルテットナイトさん達には明日続き撮ると言っとけ。』
『わかった、けど午後にそっちに撮影だよね?セッティングになんかあった?』
『あぁ少し予想外がな、手伝ってくれ』
『了解。』

海は嫌な予感しかないが悟られないようにカルテットナイト達に言い訳をして撮影を切り上げた。スタッフ達も一緒にスタジオに向かっていく。


あぁ〜どうか大変ではないように。

海はそんなことを願いながら白い砂浜を走り出した。
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