Red Swan

□その日。
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気がついたら、そこにいた。

見慣れない街並み。
自分とは違う目の色、髪の色の人々。
街を囲むようにして高い壁がある。

どうやら異国のようだ。

『えっと…ここどこ。』

確か自分は、帰宅する途中で、駅に向かっていたはずだ。
その証拠に、制服を着ているし、教科書の詰まったバッグを肩から下げている。
学校を出て、交差点を渡って…

そこまで思い出して、気づいた。

『あれ?無傷…』

交差点を渡ったところの工事現場の前を通りかかったところで、角材が落ちてきて…
どう考えても自分が無傷なのはおかしい。

もしかして私は既に死んだんだろうか。
これは死後の世界…?

そんな事を考えていると、背後から爆発音が聞こえ強い光が辺りを覆った。

『巨人だぁ!!!!!』

誰かが叫んだ。

反射的に後ろを振り返ると、壁の向こうから大きな大きな人間のような物がこちらを覗いていた。
そして次の瞬間…

壁が壊された。

ヤバイ。
本能でそう思った。
逃げなければ。
でもどこへ???

周りの人が逃げまどう中、立ち尽くしていると、

『お前!!何やってるんだ!!逃げろ!!』

小学校高学年くらいの男の子と女の子を両脇に抱えて走ってきた男性が、私に向かって叫んだ。聞いたことがない言葉だけど、なぜか言ってる意味が分かる。背中にバラの紋章があるその人は、物凄い速さで走っていった。
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