好きなもの

□たまにはいいじゃん。
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ピピピッと目覚まし時計の音

いつもと変わらないはずなのに

剛「っ、頭いた…」

ずっしりと頭に重みを感じる

妙に寒気もするし

喉も痛い

目覚まし時計を止め

下に降りて体温計を探し当て脇に挟む

ピピッと音を立てて止まる体温計

38.2…、学校休むか

部屋に戻り

健の携帯にワンコールして切る

ガラッと隣の家の窓が開く音が聞こえて窓際に立つ

健「どうしたの?」

剛「ごめん、今日風邪っぽいから学校休むわ」

ん、わかったと健が返事をして窓とカーテンを閉める

俺も窓を閉めて

親に学校を休む事を伝え

バタッとベッドに倒れ込み

目を瞑る

あっという間に夢の中

どのくらい経っただろうか

目を開けて辺りを見回す

なんら変わりない自分の部屋

変わりのない身体のだるさ

剛「もうこんな時間か…、健に会いたい」

携帯を開き

メールボックスを開く

普段は基本メールはしない

直接喋れる距離にいつもいるから

剛(学校終わったらうち来て)

送信ボタンを押す

しばらくして

健(わかった!もうすぐ終わるから待ってて(´∇`))

と返ってきた

なんだか嬉しくてメールの画面をしばらく見つめてた

健、まだかな…

学校は終わってる時間なはず

とりあえずトイレに行こうとフラフラと階段を降りてトイレに入る

トイレを出たらピンポーンとインターホンがなった

ドアを開けると健が立ってた

健「剛、大丈夫?」

なんだか健の顔を見ると安心して

健の胸に顔をうずめる

剛「んー、おそい」

健の首元に腕を回して抱きつく

健「ごめん、色々買ってたら遅れちゃって」

とりあえず家にあがってもらい

ソファに座る

健は買ってきたものを机に広げていく

健「はい、剛おでこ出して」

ん、と前髪をあげると

ピタッと冷却シートが貼られた

健「食欲は?ある?」

ない、と首を横に振る

じゃ、部屋戻ろっかと言って立ち上がる健

剛「ん」

手を健の方に出すと

はいはい、と言いながら手を握って立たせてくれて

階段もゆっくり手を繋いでのぼる

部屋について

ベッドに座る

健「プリン食べなよ、なんか食べないと薬飲めない」

と言ってプリンの蓋を開けて

スプーンにすくい口に入れてくる

渋々飲み込む

3口くらい食べただろうか

剛「ん、もういいよ」

健「そう?じゃ、薬飲も」

口に錠剤が放り込まれて

手渡された水で流し込む

薬を飲み終えて

ベッドに潜り込む

剛「健も一緒に寝よ」

きゅ、と健の手を握ると

健「ん、いいよ。今日、剛めっちゃ甘えてくるね」

剛「たまにはいいじゃん」

布団にモソモソと入ってくる

健「剛、めっちゃ体熱いね」

剛「熱あるんだからあたりまえだろ」

健の顔を見てふふっと笑う

やっぱり健が近くにいると安心する

健「ねぇ、ごぉ…」

ぐいっと健の顔が近づく

剛「なに?」

健「チューしたい」

健の指が俺の唇を撫でる

剛「今はダメ、風邪治ったらしよ」

ぷくっと健が膨れる

そんな健に腕を回して

目を瞑る

目を開けたら風邪が治ってて、いつも通りいちゃいちゃできますように…
 

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