綾薙学園
□kitty cat
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寮の同室の奴が部屋を空けてるのをいいことに仔猫ちゃんを連れ込む俺は、あいつ的に言わせば「有罪」なんだろうな
ま、いねーやつのことなんてどうでもいい
俺は目の前の愛らしい仔猫ちゃんを可愛がることに専念すればいいんだ
天音紅、女の子のフルネームちゃんと覚えてるなんて珍しい
だって女の子なんて、全員同じくらい可愛いようにしか見えないからいちいち顔と名前とか覚えてらんねーし
でも、紅だけは別
全然違う、うまくは言えねーけどたぶんこれが本命ってやつなんだろうなって
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「んん、和泉くん……、おはよ」
「はよ、仔猫ちゃん 今日も可愛いな」
2人で朝を迎える
俺は体に馴染んでしまった習慣で早く起きたので隣で寝ている彼女を起こしてしまわないように静かにベッドを抜け出し身支度を整えて、彼女が起きるまでその愛らしい寝顔を眺めていた
「あれ?和泉くん、早起きなんだね
起こしてくれてよかったのに」
目をこすりながら起き上がる紅にキスをするとふにゃりと砕けたように笑った
「仔猫ちゃんの可愛い寝顔 見てたかったからな」
「ふふ、ちゃんと可愛い顔で眠れてたかな?」
かと思えば、イタズラな笑みを浮かべるから翻弄される
これが惚れた弱みってやつなら「恋」ってやつは俺が思ってたより厄介だ
恋に落とすのは簡単なのに、落とされた方はどうしていいかわからない
もっと恋に落ちる練習しとくんだったなー
「ただいま……、って なんだ?和泉にしてはいい女連れ込んでんじゃねーか、無罪だな」
「おまっ!どんなタイミングで帰ってきてんだよ!」
突然 帰ってきた同室の奴がなんかおかしなこと言ってるけど、んなことはどーだっていい
とりあえず自分でも信じれないくらいの速度で、起きたばかりでいまだ下着姿の彼女に布団を被せ俺の上着を着るように貸してやった
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