綾薙学園

□はじまり
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私には幼馴染の、双子の兄弟がいた
あまり見た目は似ていなかったけど、仲良しでどちらも私のことを妹のように可愛がってくれた




自由気ままな、穏やかな性格のお兄ちゃんのイツキと
真面目でしっかり者の弟のツバサ
双子なのに正反対で、それでもやっぱりどこか通じている2人の関係を羨ましく思っていた




家も近く、よく遊んでいた
2人の家はとてもお金持ちなようで、とても豪華なお家に住んでいた記憶がある
ある日その関係はなんの前触れもなく終わってしまった




子どもだったからあまり詳しいことは覚えていないけど、ある時を境にぱったりと私たちの関係は終わってしまった




そんな昔のこと、とっくに忘れたはずだった
もうあの2人の顔もぼんやりとしか覚えていないのに
それでも私は、見間違うことはなかった




友達に誘われてついて行った綾薙学園の学祭で、まるで彼にだけスポットライトが当たっていたかのように私は彼を見つけた




背も伸びていたし、私のかすかに残った記憶の姿よりずっとずっと大人びていたけど、懐かしい面影を感じたのかもしれないし、本当に彼にだけスポットライトが当たっていたのかもしれない




「あのっ」

「!」

「私のこと、覚えて…ますか??
紅です、天音紅
昔、子どものとき遊んでた…」

「もちろん」




ふわりと微笑むその表情は昔と変わらない
その笑顔を見た時に、あの頃にはない不思議な感情を感じた
綾薙の制服を着る彼、その時私は綾薙を目指すことを決めた
きっと、新しいことが始まる、そんな気がした




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