夢小説
□見分け方(ニック亀)
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ニューヨークの夜は別の意味で騒々しい。
「ブヤカシャー!」
ミケランジェロが叫ぶ。
目の前には無数のクランゲロイドの姿がある。
廃墟になった倉庫で新たに危険なミュータントを産み出そうとしていたクランゲロイドの陰謀を阻止しようとタートルズが乱入したのだ。
ドナテロは棒で蹴散らしラファエロはサイで殴りレオナルドは刀で一刀両断しオクトーバーは仕込み鎌で切り裂いていく。
「暴れ足りねぇぜ!!」
「ラファ!調子に乗るなよ!」
「二人とも喧嘩しないでよ!」
『あ、あの、クランゲロイドが増えました…』
ラファエロとレオナルドがいがみ合っているとドナテロが間に入っている間にクランゲロイドが増えたのをオクトーバーは慌てる。
一体のクランゲロイドはいつもと違う銃を構えている。
ラファエロとレオナルドの二人が一目散にその銃を持つクランゲロイドに飛びかかる。
ラファエロがサイで乱暴に殴りレオナルドは刀で銃を切り裂くと中から青い液体が出てきてレオナルドはそれを被ってしまった。
「うえっ!なんだよ!」
『だ、大丈夫ですか?レオナルドさん!』
オクトーバーがかけ寄り顔を伺う。
ミケランジェロ、ドナテロ、ラファエロと近付く。
「あっ、大丈夫だ。」
「ん〜、でも、帰ってから様子を見よう。」
ドナテロは念のためだと言った。
気付けばクランゲロイドはいつの間にか撤退していた。
青い液体はスライム状になっていきレオナルドはそれを払う。
「一体なんなんだ?この青い液体…てか、スライム状になったけど…」
「なんなんだろう…調べてみよう。」
レオナルド、ドナテロと続くとラファエロは「嫌なもん。浴びちまったな!」と嫌みを言った。
ミケランジェロはスライム状に触ろうとしたがドナテロに怒られた。
一部のスライムを持ち帰えろうとするドナテロにオクトーバーは不安そうな表情を見せる。
『あっ、あの、危ないかもしれませんよ?』
「大丈夫だよ。オクトーバー」
鼻歌を歌いながら試験管にスライムを移すドナテロにオクトーバーはスライムに不安を覚えた。
不安そうな表情をしているオクトーバーの真後ろからミケランジェロが抱き付く。
「オクトーバー!大丈夫だって!だってドナだよ?」
『は、はぁ…』
「心配し過ぎると倒れるぞ…てか、心配すんなって」
ラファエロがオクトーバーの隣に来て腕を組んでオブラートに包みながら言うものの一瞬考えて直球に言い替える。
皆して心配性だなぁと言う雰囲気になる中どうしても不安で仕方がなかった。
「大丈夫だって!帰ろう!」
『あっ、はい…』
青い液体を被ってしまったレオナルド本人の言葉に頷くことしか出来なかったオクトーバーはタートルズと一緒にマンホールの下へ帰った。
+++
一同自宅に帰ってきてすぐに各自好きな事をする。
ラファエロはソファーに座ってお気に入りの漫画を読みミケランジェロは寝転がりながらTフォンでゲームをしてドナテロはラボに籠り研究していた。
レオナルドの姿はなくオクトーバーは一人居そうな場所を探し回る。
いつもならばスペースヒーローズを見ているはずのレオナルドが居ない。
オクトーバーの心の中は不安にかられる。
道場を覗くとレオナルドはスプリンターと話をしている。
胸を撫で下ろしたオクトーバーは広間に戻った。
するとスペースヒーローズを見ているレオナルドが居る。
一瞬で不安になった。つい先ほどまでレオナルドはスプリンターと話をしていた。
確認してすぐに戻ってきたのだからレオナルドがここに居るのはおかしい。
そう思ったオクトーバーは話をかける。
『あっ、あの…レオナルドさん…さっきスプリンター先生と話をしていませんでしたか?』
「ん?オレはここに居たよ?」
『えっ…そう、ですか…』
見間違えなのかと考えるオクトーバーに漫画を読んでいたラファエロは話に割って入ってくる。
「オクトーバー、どうしちまったんだ?俺様が気付いた時にはレオは居たぜ?」
『…す、すみません。』
目の錯覚なのかと頭を抱える。