夢小説

□君はどうして近付きたがらない?(ニック亀)
1ページ/2ページ



オクトーバーが皆に慣れてきた頃……

どうもオレだけオクトーバーから距離があるのを感じていた。
皆には目を合わせられるようになってきたけどオレの時だけ目をそらすのが早い……



なんでオレだけ???……



疑問を抱いたままのオレはドナに聞いてみることにした。
聞かれてドナは言うべきか言わないかべきかと言った態度でオレをみる。

「レオ……ごめん。気付いてた!」

「やっぱ、り……」

「うん。オクトーバーは最初からレオの事が苦手みたいだったけど……」

なんだか、複雑な気持ちだ

なんで、オレの事が苦手なんだろう???

オレは彼女を傷付けるような事は一切してないんだけどなぁ……


本人にはさすがに聞けない。
それにオレとしては彼女を傷付けたくない。



+++



今日もスプリンター先生の修練、オレ達だけではなくオクトーバーも一緒だ。
最近は個人じゃなくなった見たいで良かったとオレは感じてる。

マイキーがスプリンター先生の話を聞かずオクトーバーに話す。
正直な話、マイキーが羨ましい……

彼女に思っている事をすぐに言える。

「では、オクトーバーとドナテロ……前へ」

「『はい』」

先生に呼ばれた二人は前に出て頭を下げた。

「宜しく、お手柔らかに」

『は、はい。よ、宜しくお願い致します。』

ドナは軽く言うとオクトーバーはオドオドしながらも深くお辞儀をする。
マイキーが隣で「二回頭下げてる」とか言ってたが見守るのも大事な事だ
互いに武器を構え先生の合図を待つ。

「始め!!」

合図を出すとドナが先に動き棒を右から左へと振る。
オクトーバーは瞬時にしゃがみ込み仕込み鎌を展開して左から右に振るとドナはそれを棒で受け止めて距離を置く。
棒と鎌では相性が悪いがドナは棒をしなやかに回転させて突きを繰り出す。
突きを正確に避けもうひと突きを繰り出すとその突きは顔の真正面に向かってきた。
ドナは当たると動じたみたいだが、オクトーバーは目を見開いたまま棒を避けドナの背後に回り込む。
回り込んだのはいいもののどうすればいいか分からなくなったオクトーバーはドナの甲羅にタッチした。

静かに見ていたオレ達は目が点になった。
ラファとマイキーはお互い顔を見て何がしたかったのかと話す。

「……やめ。」

先生はゆっくりオクトーバーに近付く。

『あっ、あの……』

「……背後をとれたのは良いとしよう。身内に攻撃をしたくないのは分かる。だが、本当の戦いでは通用はせぬぞ」

『は、はい。すみません』

何か言いたげではあったものの彼女はひたすら頭を下げた。
また、ドナにも頭を下げてた。

「ううん。ボクは気にしないで……オクトーバー、君はすごいよ」

『あ、ありがとうございます』

オクトーバーを褒めたあとドナは先生に色々言われていた。
やっぱり、動じた所を指摘されていた。

その後は三人組手、正座しているドナとオクトーバーは話をちょこちょこしているのが伺えた。

組手が終わって瞬時にタオルを差し出すオクトーバー

ラファ、ドナ、マイキーにぎこちない笑みで渡す。
オレの時はオド付きながら強張った表情で渡してすぐに立ち去る


見ていて思う……


皆が羨ましいって……


まるでオレだけ仲間外れにされているようで正直……


寂しい……




オレは一人で考えたくって地上に出てビルのタンクの上に座っていた。
ため息付きながら考える。


どうしてなんだろう……


一人で考えるものの答えが導き出せないと思いエイプリルに相談しようと立ち上がる。


「よぉ……考え事かな????」


完璧に背後をとられて声がする方に振り向くとサソリの毒針の尾っぽが目の前にあった。
無論相手は分かってる。

半ミュータントサソリのガゼットだ。

「いやぁ〜シブってんなぁ〜」

オレの頬を人差し指でつついてくる。
いつも何したいんだか、分からないフット団側についているレザーヘッドの知り合いだ。
マイキーとやたら仲が良い……

「オクトーバーの事かぁ???いやぁ、遂にレオナルドもかぁ」

「当たりだけどガゼットが思っているような事じゃない!」

「えっ??俺だけが距離置かれてるじゃなかったのか?」

もう、言い返せない。
どうすればそんな瞬時に思い付くやら……
どうして分かるんだろうと不思議に思う。

いつも余裕な彼……じゃなくって彼女が羨ましい。

「なんだなぁ……当たりか?」

ニカッと笑うガゼットにオレはため息しか付けなかった。
ため息を見たガゼットは珍しく首をかしげる。

「あ〜思っている以上に深刻そうだな?」

「そう見えるなら触れないでくれ……」

「ふ〜〜ん。兄貴は大変だなぁ」

ポケットに手を入れてオレの顔を覗き込む。
オレが視界をずらせばすぐ目の前に深い紫の目がこちらを見ている。
なんとなく分かる、俺を観察していると……。

「オレを見ていて楽しいか?」

「ん?まぁ、見ていて楽しいよりあきねぇなーって思った!」

からかい上手だな……

「てか、アレだな。お前みたいなヤツでなんかあったんじゃねぇの?」

「はぁ!?オレ?」

「お前みたいなヤツな??世の中お前みたいなヤツ居るだろうよ。一人や二人」

なんか、説得力あるような無いような…。
でも、ガゼットが言うようにオレみたいな人と何かあったなら…オクトーバーなら…怯えて近付いて来ないよな?

「ガゼット!ありがとう!!」

「おいよー。」

てか、オレなんでガゼットに相談に乗ってもらっちゃってるんだ?
しかも、フット団なのに…オレはどうかしちゃってるんだな!

開き直ったオレはマンホールの下へ帰った。



オレが帰ると各自好きな事をしている。
広間にはやっぱりオクトーバーの姿はない。

彼女はやっと馴れてきたとしてもオレ達のひとときの空間を邪魔したくないのかここには滅多に寄ってこない。

ラファ、ドナ、マイキーが居るのを確認してオレは彼女の部屋の前に立った。
ここに来たのは彼女がフット団から逃げ出し怪我してベットに寝かされていた以来
緊張してきた。

オレはドアをノックする
オクトーバー…ビックリしなきゃ良いけど…

「オクトーバー…オレ…なんだけど…」

『れ、レオナルド…さん??』

声で分かる…相当動揺しているゥ
そうだよな…オクトーバーはオレの事苦手みたいだし…
ネガティブにもなるよな。オレ。

『あの、どう、したんですか?』

そう思っているとドアを開けてくれた。
少し不安そうな表情をしているけど…

「あっ、いや…少し話をしたいなって思って」

『話…ですか、あ、あの…ど、どうぞ』

オクトーバーから初めて部屋に入れてもらった。
皆は何度も踏み入れているんだろうけど…特にマイキー。

彼女の部屋はほぼ何も置いていない。
置いてあるのは机と椅子と写真が一枚。

「オクトーバーとお父さんの写真?」

『あっ、はい…優しいお父さんです。』

オクトーバーのお父さん…亡くなったって言ってたよな。
写真だけでも分かる。本当に優しい人なんだって伝わってくる。

『…私なんかにはとっても勿体ない父です。』

「そんな事ない!勿体なくない。自慢のお父さんだと思うよ」

ついくちばしてしまったけど…
私なんかとか言ってほしくないし悲しい顔をさせたくもない。
思った事を言っただけ…

だけど、オクトーバーはオレの事をちゃんと見ている。

『…あっ、ありがとう、ございます。』

ぎこちない笑みをオレにも向けてくれた。
その笑みを見て彼女に聞きたかった事を聞くのをやめた。

オレみたいな性格の人で何かあったのか?なんて今の状態聞けない。
それは彼女の口から言ってくれる時にする。

『レオナルド、さん…あの』

「ん?なんだい?」

『あ、の……その、い、いつも困らせてごめんなさい…』

な、なんも悪い事してないじゃないか!オクトーバー!!

でも、なんとなく感づいてたのか…
オレが気にしている事…

「謝らないでくれ。オレは大丈夫だから」

心配させないようにしなきゃ…
オレが皆を支えていかなくっちゃ行けない。

『…あの、無理は…しないでください。』

「えっ?」

『な、何かあったら私も…一緒に、悩ませてください。』

オクトーバーって…すごいな。
そんな素振り全然見せてないんだけど

「その時はお願いしようかな?」

『はっ、はい!』

やっと距離が近くなってオレはうかれてしまった。
彼女の事で散々悩んだけどやっとその悩みも解決出来そうだ。

もう少しだけ距離が近くなって欲しいと思うオレが居た。


終わり

あとがき→
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ