夢小説

□後編
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ガゼットがタートルズの住まいからフット団に帰ってきた。
しかし、彼……いや、彼女は散歩してたと嘘を付きある部屋へと向かった。

その部屋のドアノブに手をかけ開けるとゼバーとオクトーバーがベッドの上で並んで座っていた。
互いに意識しすぎなのか目が合うと目をそらしている。

「で、キスまでいったか?フィッシュフェイス」

「お前!非常識な事を聞くな!!」

思った事を投げ掛けるとゼバーことフィッシュフェイスが怒鳴り散らす。
相変わらずな態度にムカムカしているようだ。

「ふ〜〜ん……キスまでは行ったんだな。」

「ぐっ……(なんで分かるんだよ)」

『っ……//』

空気を読む気がないガゼットはニヤニヤしている。
どうやら態度で見分けが付くようで一人楽しんでいる。
思わず赤面するオクトーバー。

「ま、オクトーバーは泣き止んだみたいで良かったじゃねぇか。」

『あっ、……はい』

オクトーバーがガゼットに腕を引っ張られて連れてこられた時
泣きじゃくってしまってどうするかは分からずガゼットはフィッシュフェイスに全てを任せた。
泣かせたりする事はするが泣き止ませる事は一切ない。

「お前、完璧に放り投げたけどな」

「あっ〜〜いやぁ〜〜、泣かすのは良いんだが泣き止ますの駄目なんだわ!永遠に泣いてろって思ちまう」

笑ったまま言う言葉にフィッシュフェイスは何も言わなかった。いや、あえて言わなかった。
言ったらキリがなさそうだと感じたのだ。

「ま、仲良くしててくれよ。」

「さっさと出ていけ!!」

軽い足取りでガゼットは部屋から出ていった。

また、二人っきりの時間になってニヤニヤが止まらないガゼットの目の前に仁王立ちしているシュレッダーの姿があった。
目の前に居る相手に瞬きするガゼット。

「……許可は出したが、上手く行くのだろうな」

「そんなカリカリしないでくだせえよ。」

いつものヘラヘラは変わらず両手を頭に持っていきシュレッダーの回りを一周するとシュレッダーの腕に付いている刃が顔の目の前に突き付けられる。
普通であれば尻餅をつく所ガゼットは目と鼻の先にあるものにも動じていない。

「へーへー、そんな顔めしないでくだせぇよ」

「お前が言い出した事だろう……」

「だってよぉーゼバーとオクトーバーをくっつけて卵子と精子使って受精させりゃ戦力と言う名の子供の出来上がりー!なんすから」

ガゼットの目的はオクトーバーを使っての事だった。
クランゲロイドがカレンと言う少女を襲っていた現場にガゼットはまたまた居合わせていた。
そこでラファエロに片想いしているオクトーバーの中の感情を拗らせてタートルズから離脱しないかと考えた。
それがなんと上手く行き更にオクトーバーに片想いしているフィッシュフェイスに話を持ち出したのだった。

「お前は回りくどすぎるが……悪い計画ではない。」

「フット団にすりゃあ、戦力も出来てオクトーバーもまた洗脳出来て一石二鳥だ」

ニヤニヤしているガゼットにシュレッダーは顔色一つ変えず黙って睨んでいる。
なんだかんだシュレッダーでもこんな面倒な性格のガゼットを認めている。
だからこそ今回の計画には荷担した。

「まぁ、これがどう転がるかだな。失敗すんのか。はたまた成功するか……楽しみで仕方がないぜ。」

深い紫色の目には怪しげに光りシュレッダーの前から居なくなったが視界の先にドッグボッコが居て軽く肘鉄を入れに走っていた。
入れ違うようにカライが現れた。

「お父様はガゼットの事を信用しているのね」

「……計画に評価をしているだけだ」

ドッグボッコにちょっかい出し続けているガゼットを遠目から鋭い眼光で見ているシュレッダーであった。



そのドッグボッコにちょっかい出しているガゼットは頼み事をしていた。

「ゼバーとオクトーバーの結婚式を挙げる!?」

「おうっ!!そのために金貸してくれ!!!」

「……断る。」

ドッグボッコことクリス・ブラッドフォードは武道家でありそれなりの資金があると知っているため
ガゼットはドッグボッコに頼み込んだのだ。

「なんだよ!!!計画知ってんだからよ!!頼むぜ!!!」

「知っていてもお前には金は貸さん!」

「ちぇーーーー……マスター!!!金!!」

ドッグボッコが駄目ならシュレッダーに頼もうと大きな声で聞きにかかると「貸して!」と言う前にガゼットの口を大きな手で塞いだ。
さすがに不味いと感じたようだ

「……金がなんだ?」

「い、いいえ。なんでもないです。マスター!」

ガゼットの口を塞いでいた間にシュレッダーとカライが二人に近づいてきた。
足をバタつかせドッグボッコに肘鉄を喰らわせる。
横腹に当たって反動で口を塞いでいた手を放す。

「オクトーバーを逃がさないようにするために式を挙げたいんで!金貸して!!!」
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