TMNT(ニック亀)小説

□第5話
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その頃、フット団アジトでは水槽の水がとても少なくなっていた。
ゼバーがギリギリ泳げるぐらいの深さだ。

「チクショー!絶対いたぶってやる!!」

「逆にいたぶられ返されたりな!」

ゼバーが意気込んでいるとブラッドフォードは腹を抱えて笑っていた。
笑われて気分が良いわけがない。
睨むが「地上に来れるもんなら来い」と言われた。
イライラが強くなる。

いつか覚えてろよと強く誓った。

「ゼバー……オクトーバーは遠くに逃げられるはずがない。」

何かの準備をしていたシュレッダーがゼバーに声をかけた。
腕を組んでおりその威圧は恐ろしい。

「は、はい。しかし何故言い切れるのですか?」

「……オクトーバーに使っていた音波機器には副作用がある。目前、頭痛、痙攣、方向感覚……いずれにせよ。症状に出るものだ。」

上げられた症状を想像してみる。
動けるはずがない。

ゼバーは内心チャンスだと心が高ぶった。

「行くがいい。ゼバー」

「はっ!」

すぐに栓を抜き排水口へとゼバーは姿を消した。



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場所が分からぬ下水に痙攣が止まらないオクトーバーがふら付きながら歩く。
強い頭痛に目前、バランスを崩し倒れてしまう。
その繰り返しをしていた。

『はぁ……はぁ……』

左腕だけを使い這いつくばりながらも少しでも逃げようとする。
右腕は負傷していて全体的な症状は収まらない。

水面に何かが落ちてきた音がしすぐ振り向くが目の前には何もない。
警戒をするがうまく動けない身体では何もしようがない。

這いつくばり進もうとすると水面からゼバーが飛び出してきた。

「よぉ、少し振りだな!!」

『いっ……!!』

避けようとしたが仰向けになるだけでその上にゼバーが乗っかっていた。
右腕を掴まれて顔を歪ます。

一瞬、理解が出来なかったゼバーは掴んでいる右腕に滑りを感じて改めて腕を見る。
血が止まっておらず血は流れる一方、水槽から逃げる時に自分の爪に引っ掛かり負った傷だと思い出した。

「なるほど……暴れなきゃこんな傷作らず済んだのによ」

負傷している右腕に少し強めに力を入れるとますます顔を歪ます。
離そうと左手でゼバーの腕を掴み返すがいつもより力は入らず左手は簡単にゼバーに押さえ付けられてしまった。

「さぁ〜て、どう可愛がってやろうか??」

そう言ってオクトーバーを眺めていた。
右腕から流れている血を何を思ったか舐めとる。
なめとられる側は電流が走るように痛いのと舌の感触。

『やっ!……いっ、痛い!!』

「お〜お、まともな言葉を聞いたな……」

ゼバーは楽しくって仕方がなかった。
前回も同様だったが今回は水中ではない。


もっと、もっと楽しませてくれよ!


そう心の中で騒ぎ立てていた。

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