TMNT(ニック亀)小説

□第5話
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「皆、ちょっと良い?」

ラボから出てきたドナテロはラファエロ、レオナルド、ミケランジェロに声をかけた。
手のひらには三つのヘッドホンを持っていた。

首を傾げながら三人は寄っていった。

「なんだよ。ドナ」

「見る限りなんか発明したのか?」

「なになに?音楽でも聞くの?」

面倒そうなラファエロに瞬きしながらいつも通りの発明と思ったレオナルドに見たままを言うミケランジェロにドナテロは全て首を左右に振った。

「違うよ。このオクトーバー専用の音波機器を調べてみたんだ。そしたら普通の人が聞いたら狂っちゃうような危険な音波だったのが分かったんだ。」

淡々と話すドナテロに今回は分かりやすいなと思ったレオナルドとラファエロ。
ミケランジェロは「怖いモノなの?」と聞いた。

「そう、怖いモノだね。で、それを三人に聞いてもらおうと思ってね」

「ふざけんな!!あぶねぇじゃねぇか!!」

ヘッドホンをラファエロに差し出すと怒鳴り散らしてきた。
片手にヘッドホンを持っていたため片手で片耳を塞いだ。

「大丈夫だよ。ミュータントであるボクたちには悪影響なんてないさ」

罰の悪そうな表情を見せるラファエロに対してレオナルドはヘッドホンを手にとって装着した。
ミケランジェロとラファエロは目が丸くなった。

「彼女がどんな気持ちだったか知るためなら俺はそれを聞くよ。」

覚悟の発言にラファエロはため息を付いてヘッドホンを手にとって装着した。
ミケランジェロも装着した。

「実際オクトーバーが受けていたのは脳だけどそれを音にしたのを流すからね」

そう言って専用で使われていた音波機器を操作し別の機器から音を発した。

じわじわと耳に違和感を覚え雑音に頭に響くような金属音に三人とも頭を抱え苦しみ出す。
その苦しみ出した瞬間に音を切った。

「いっっ……」

「これで彼女を苦しんでいたんだ」

「嫌だよ〜こんなの聞いてられな〜い!!」

頭に残るような音に足元も多少おぼつかない。
ミケランジェロは尻餅付いて一人効果覿面だった。

「考えてごらんよ。フット団に居た彼女は毎日これを受けていたらと思うと背筋が凍り付く。」

ドナテロが例えで話を上げると三人とも気分が悪くなってきた。
毎日、今の音を聞かされるとなると真っ青になる。

「……彼女が……生きているのを信じよう」

責任を感じているレオナルドにラファエロは息を吸ってはいた。

「キャプテン!!責任を感じているだなんてあなたらしくないです!!堂々と身構えてください!!!あなたの責任じゃありません!!!」

「ああ、すまない!責任光線を浴びてしまったようだ!!」

スペースヒーローズのキャプテンライアンと部下のやり取りをしながらお互いに心の中で通じあっていた。
責任を感じていたがラファエロの行動に気持ちが和らいだ。
ミケランジェロは「あれ?不安光線じゃなかったけ?」と言っていたがドナテロは「気にしなくって良いの」とだけいった。

「ねぇ、皆!」

四人の前にエイプリルが尋ねてきた。
一番にドナテロが「エイプリル!」と嬉しそうに近付いた。

見てわかるデレデレだ。

「今日はどうしたの?」

エイプリルの話を聞くドナテロにラファエロは冷めた目で見ていた。
レオナルド、ミケランジェロは苦笑いだ。

「この間フット団のアジトに侵入したでしょう?その時に水槽の水がみるみる抜けたって言ったじゃない?


「そうだね。言ってたね」

思い出すように頷く。
他の皆もうんうんと頷いた。
そのあとすぐにフット団と戦ったためあまり気にしていなかった。

「あれって……皆がよく話してたオクトーバーって子がやったんじゃないかな?って……」

瞬きして四人とも目を合わせた確証はないがあり得なくはない。
もし、オクトーバーが水中に居たのであればと脳裏を横切る。

「それに排水口から逃げたならもしかして下水に流されたかも!」

エイプリルの勘は信じて大丈夫だと思いレオナルドが「四つに別れて探そう」と言った瞬間ドナテロは早かった。

「じゃ、ボクはエイプリルと一緒に行動するよ」

皆、気付いていた。
やっぱりな!と絶対ドナテロはエイプリルと行動すると踏んでいた。
生き生きとしているドナテロを見てため息をついた。

「み、皆……なんかあったらTフォンで連絡、だぞ」

レオナルドは積極的なドナテロを見てドン引きしていた。
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