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□ベリースウィート・チョコレート
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「・・・・・・・ふーん」
わざとこんな返事。
恥ずかしいから、ね。
隠してるつもりだけど、ああだめだ。
顔がにやける。
「何アルかそのびみょーな返事は!
いいもん、銀ちゃんがいらないなら新八にでもあげるアル!!」
ぷいっとこちらに背を向け、キッチンに歩き出す神楽。
ちょっとした照れ隠しがこんなことになるとは・・・
焦った銀時は神楽に声をかける。
「あーえっと俺神楽ちゃんの作ったチョコ欲しいかもしれないっつーかくださいお願いします」
早口で言った「ごめん」の代わりの言葉。
神楽は振り向いて、満面の笑みを浮かべた。
「じゃぁ、銀ちゃんのチョコ作るアル!めっさデカいの作るから待っててヨ〜v」
手をふって台所にスキップして行く神楽にときめいて座っていたソファーから落ちそうになったのは、内緒ってことでここはひとつ。
神楽が鼻歌を歌いながら台所に入ってから数時間が経った。
が、未だに出てくる気配はない。
チョコの匂いはするが、完成品が来ない。
さすがに心配になった銀時は台所を覗く。
するとそこにはチョコの甘ったるい香りと鍋の中の大量のチョコと、エプロンをした涙目の神楽がいた。
「・・・・・銀ちゃぁん・・・・」
ぐずっ、と鼻をすすりながら銀時に駆け寄る。
「どーした?チョコにヘンなもん入れておかしくなったのか?」
やさしく頭を撫でながら聞く銀時に、神楽は頭を力なく横に振った。
「チョコ溶かしすぎて固められないアルーーー!!」
うわーん!と泣きながら銀時に抱きつく。
数時間掛かった理由はそれ、ね・・・。
確かに坂田家で一番大きな鍋にいっぱいのチョコを固めるのは困難だ。