Main WJ

□孤独だった頃の傷跡
2ページ/3ページ


「むぉ!?」


「身体さっさと拭きなさい。風邪ひくだろコノヤロー」

憎まれ口を叩きつつ、少し乱暴に神楽の髪を拭く。


「…うん。ありがとネ、銀ちゃん」


「別にー。まったく、世話のかかるガキだぜ」




「私の事心配して、玄関で待っててくれたんでしょ?」


「!!」


「わっかりやすい奴アルなー。そんなに私好きか」


「ばっ!だからあれは瞑想だって言ってんだろ!?勘違いすんなマセガキ!」


「はいはい、わかりましたヨー」


神楽の軽いあしらいに眉をひそめつつ、銀時は神楽を後ろから抱きしめた。


銀時の行動に神楽は目を見開き、真っ赤になる。


「ぎっ銀ちゃん!?ぬ、ぬぬ濡れちゃうアルよ!」

さっきの余裕の態度とは打って変わって慌てふためく神楽を見て、銀時は安心したかのように笑う。


「いーんだよ。それより、まだ聞いてない言葉があるんですけど」


「え?」


「家に帰ってきたらなんて言うのかな?神楽ちゃん」



相変わらずのガキ扱いにむっと膨れつつ、その言葉を忘れていたことを思い出す。



私が孤独だったときの傷はなくならないけど、ここにいることで少しずつ薄くなっていると嬉しい。


抱きしめてくれている大きな手の中で、今の幸せを噛みしめるように言葉を紡いだ。




「ただいまアル」



「…おかえり」




END...

あとがき→
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ