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□kiss and kiss
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「飲めそう?兄さんが作ったのじゃないから安全だよ」
冗談まじりに言いウィンクをする。
やっぱり、かわいいなぁ。
心底思ったことを口にしそうになり慌てて噤んだ。
「アレンくん?」
どうかしたの、と首を傾げるリナリー。
「なっ、何でもないです!それより薬を…」
赤くなった顔で自分の感情を悟られないように、早口で言った。
「?うん」
不思議そうな顔をしつつ、リナリーはアレンに薬と水の入ったコップを差し出した。
アレンはそれを受け取ろうとするが、体がうまく動かせない。
「っ…」
「大丈夫!?起きれる?」
リナリーの問いかけに、体のだるさに顔を歪めながらアレンは苦笑いを浮かべた。
「無理…かも」
アレンの言葉に眉を下げるが、少し考えて彼を見つめた。
「そっか…。じゃあ、そのままにしててね」
「え…?リナリー?」
先程とは逆に今度はアレンが不思議そうな顔になる。
「大丈夫、だから」
頬をほんのりと赤く染めて、手に持っていた薬を口に放り込み、続いて水を流し込む。
リナリーの行動を不思議そうに見つめていると、突然彼女がアレンの寝ているソファーに手をついた。
いわゆる、「押し倒し」である。
リナリーの行動に驚き、アレンは目を丸くしながら必死に起き上がろうとする。
「り、りリナリー?あの…」
続きを言おうと口をあけるが、リナリーによって塞がれる。
少しすると、水と薬が口に入り喉を通った。
アレンが薬を飲んだのを確認すると、リナリーはゆっくりと唇を離した。