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□リベンジ!チョコレート
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いちご牛乳の入った袋ともうひとつ別の袋をぶら下げ家路につきながら、銀時は去年のバレンタインを思い出していた。
神楽は自分のために一生懸命チョコレートを作ってくれた。
嬉しくて調子に乗ったのもあって、その後はジャンプだと掲載禁止になるような展開になってしまったのだが。
そんなこんなで去年は神楽を泣かせてしまったのだ。
だから今年もくれるという保証はない。
しかも神楽は朝から台所に籠もりっぱなしで、去年より遙かに気合いの入り方が違う。
銀時はいちご牛乳が入っていない方の袋を見つめた。
「こんなの買って、あほか俺は」
袋の中身は、朝に神楽が食べたいと言っていた肉まん。
「いや、これでチョコ貰おうとかそういうんじゃないから。俺はそんな浅はかじゃないから。等価交換とか考えてないから全然」
早口で自分に言い聞かせて家に入る。
「おーい、帰ったぞー」
て、返事なんてないよなぁとひとりごちっているとぱたぱた小さな足音が聞こえてきた。
「銀ちゃん!おかえりアル」
誰の出迎えもないと思っていたのにあった。
しかもそれが神楽だということに驚いてしまう。
「銀ちゃん?何ぼーっと突っ立ってるネ?
寒いから早く入るアル!」
「お、おぅ…」
何故かはしゃいでいる神楽の後ろについていきリビングにつくと、居るはずの新八が居なかった。
「新八は?帰ったのか?」
「何か用事あるって帰ったアル」
「ふーん…」
こんな日に用事あるのか?あのダメガネ。
まぁ俺も用事がない寂しい奴なんだけどね。