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□バカ
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ヘタレ攻へ10の試練(1)

4.バカ


ある日、ディーバに一人(?)のお客様が迷い込んだ。


「なんだぁ〜〜〜?それ」

「何って、見ればわかるじゃない。犬よ、犬!」

そう、お客様とは・・・一匹の犬。

シルヴィアの腕の中でくぅーんとないている。


「わぁvかわいいですね〜!」

「シルヴィア、どこで拾ってきたの?」

「ここに来たらもうこの子、ここにいたのよ。なんかおなか空いてるみたい。」

シルヴィアの言葉を肯定するように、犬がシルヴィアの頬を舐める。

「きゃっ!くすぐったいよ〜、もう!」


女の子たちの嬉しい悲鳴が聞こえる中、男集団はそれを遠巻きに見ていた。

「へぇ〜、犬か。めっずらしー!なぁ、アポロ♪」

「・・・・・・・・けっ!!」

「アポロくん、何でそんなに機嫌が悪いんですか?」

ジュンが聞くと、アポロはぷいっとそっぽを向く。


「あぁ〜、そっかそっか。
お姫さまとられたみたいで、悔しーんだろ?」

ニヤニヤしながらアポロに詰め寄るピエール。

・・・・・ものすっごく楽しそうだ。


「はぁ!?何で俺が悔しがらねーといけねぇんだよ!わけわかんねぇ!!」

かすかに頬を赤く染めつつ、反論する。


「アポロくん、無自覚・・・?」

「こいつ、ガキだからな〜」



一方、女の子たちは・・・

「このわんちゃん、シルヴィアさんにすっかり懐いちゃいましたね!」

「ふふっvこの犬ほんっとかわいいわvV
どっかのバカと違って、素直で乱暴じゃないし?」


『素直じゃなくて乱暴』なアポロの方をちらっと見る。

何故か彼は不機嫌だ。


よくわからないが、一言何か言ってやろう。

そう思い、シルヴィアは犬を抱えたままアポロに近づいた。
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