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□君の笑顔と、チョコレート。
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「ラビ!」
名前を呼ばれて振り返ると、自分に向かって走ってくるリナリーがいた。
「どうしたさ?リナリー。そんな急いで」
「これ…」
「……何??」
誕生日でもないのに…と不思議に思いながら渡されたそれを受け取る。
「何って、チョコレートだよ!今日バレンタインじゃない!」
そう言うとリナリーは少し呆れたようにため息をついた。
「…あぁ〜、今日2月14日かぁ」
「もう、ラビったら。おじさんみたい」
クスクスと口に手を当てて小さく笑うリナリー。
かわいいな…と口から出そうになるその言葉を飲み込んで
「おじさんは無いさぁ…」
いつものように軽く言葉を返す。
…本当は、今日がバレンタインだって知ってたんだ
でもわざと忘れてたフリをして、リナリーからのチョコレートを期待してた
義理でも、くれるだけで嬉しくて
「リナリー、ありがと。すっげぇ嬉しいさ」
「よかった」
そう言って笑う君の笑顔が大好きなんだ
「…あのね、ラビ…」
「ん?」
少しの間の後、リナリーが頬をピンク色に染めて話を切り出した。