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□おれにはきみしかいないけれど
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恋愛に臆病になる10の感情

7.おれにはきみしかいないけれど



君の視線の先。

見つめているモノ。


「アレンくん!!」


俺じゃない、他の男の名前を呼ぶ君の声。

頬をピンク色に染めて、嬉しそうに話してる。


「リナリー・・・」


小さな声でつぶやいた君の名前は、多くの人の声で消された。


「それでね!」


「うん。」


楽しそうに話す、アレンとリナリー。


振り向かない。

当たり前だ。

誰にも聞こえないような声で呼んだのだから・・・


俺が見つめる先には、必ずリナリーがいる。

彼女が見つめる先には、必ずアレンがいる。


「リナリー」


さっきよりも、少し大きな声で呼ぶ。

気づくはずない。

・・・気づかなくていいと思っていた。


俺は、少し下に向けていた顔を上げる。

すると、リナリーの顔がこっちを向いていた。


「・・・え?」


ボーゼンと・・・ただただリナリーを見つめた。


「?」


そんな俺の顔を見て、不思議そうに首を傾げるリナリー。

ハッと我にかえった俺は、ごまかすように笑って手をふった。

リナリーも、それに応えるように笑って手をふる。


その笑顔に、胸が高まった。


「すきだ・・・」


思わず口から出た言葉。


「!!」


ハッとなって、慌てて口を塞いだ。


「うわぁ・・・ヤバイさー・・・・・」


勝手に口が動いてた。


「・・・おさえられないかも・・・・・」


君が誰を見ていても・・・


おさえられない想い。



END。


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