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□リベンジ!チョコレート
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今年こそ
成功させます
バレンタイン
これ、私の今日の「はいく」アル!!
「で、なに?これ」
万事屋の台所の前に中が見えないように付けられた大きな布と、歪なひらがなで「入ったら殺すアル!」と書かれた紙。
いちご牛乳を飲むために台所の前に立った銀時は、すぐそこでテレビを見ている新八に尋ねた。
「ああ、神楽ちゃんが何かしてるみたいですよ」
「神楽がぁ?こりゃ明日雨降るな。いや槍か?」
「とばしすぎですから。せめて氷ぐらいにしてあげてくださいよ。
まぁ、時期が時期ですしね。」
「氷っつーより今は雪だろ」
「そっちじゃねーよ!バレンタインですよ、バレンタイン」
「…あぁ、そっちね」
さっきまでだるそうに話していた銀時の声のトーンが少し下がる。
「神楽ちゃんも女の子なんですね。
…銀さん?」
先程から眉間にしわを寄せ、あからさまに不機嫌そうな銀時を不思議そうに見る。
「いちご牛乳買ってくる」
そう呟くと銀時はふいに立ち上がり、すたすたと玄関に向かって歩き出した。
「えっ、それなら冷蔵庫にあるじゃないですか!それに今雪降ってますよ」
「…『入ったら殺す』んだろ。俺まだ死にたくねーもん」
新八が更に不思議そうな顔をする。
銀時はそれを振り切るかのように玄関の戸をぴしゃりと閉めた。