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□踏ん切りがつかない
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ヘタレ攻へ10の試練@
3.踏ん切りがつかない
見て、しまった。
アレンくんが女の子と抱き合っているところを。
しかも二人とも顔が真っ赤で
「すみません」って何回も謝って
最後には、笑って
二人が笑ったところで耐えられなくなって、その場を走り去る。
「・・・見るんじゃ、なかったな」
ごはん誘うつもりだっただけなのに。
アレンと来るはずだった食堂にとぼとぼと一人で入っていく。
小さなため息をつき、食堂の受付でジェリー特製のサンドウィッチとジュースを受け取り、人気のないテーブルへ腰掛けた。
さっきからもやもやするものが心から離れない。
アレンくんと、よく知らない女の子の抱き合ったところ。
笑顔。
頭から振り払おうとしても、どうしても出ていってくれない。
こんなの・・・まるで。
「私が・・・」
やきもちやいてるみたい、じゃない。
自分で考えて、頬がかぁっと赤く染まる。
「ちっ、ちがうもん!」
いたたまれずにがたん、と勢いよく立ち上がった。