Main Anime 2

□君と僕の距離
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学校の登下校、柔道の稽古、ファフナーの訓練…
昔からずっと一緒だった。ずっと変わらなかった、俺達の関係。


今日は俺の誕生日だから、それだけで何かいいことが起こるような気がした。
起きてすぐに母ちゃんに「おめでとう」と言われた。
さすがにこの歳になると少し恥ずかしい気がする。


学校に登校する時、衛とは途中から一緒だから会ってすぐ「おめでとう」と言われた。
その後も同級生はもちろん、下級生からも、たくさんの人から「おめでとう」と言われた。


一瞬、「俺ってもしかしてすごく人気者だったのか!?」と思ったけど自分で「12月7日は近藤剣司の誕生日でーす!プレゼントよろしく!」とか言って回ったんだっけ;;


それでもいつもより学校に行くのが楽しいと感じた。学校自体は嫌いじゃないんだよなぁ…勉強は嫌だけど、みんなに会えるし。
でも今日は授業に積極的に参加しようって気になるぜ!
なんてったって俺生徒会長だし!
いつも以上にルンルン気分で席に着く。
俺の席は後ろから2番目。んで、俺の後ろは咲良なんだ。


咲良はいつも俺より早く学校にきてる。



「おっす!咲良!」



「おはよ、剣司」



いつも繰り返すあいさつ。俺が先に言って、咲良が返す。
これだけで俺がどんだけ嬉しいか…
あぁ…恋って盲目だよなぁ。



「剣司」



「ん?」



「誕生日おめでとう」



笑顔で言う咲良にドキッとしながら、差し出された紙袋を受け取る。



「…あけていい?」



「中身わかってるでしょ!いちいち聞かないでよ」



「おう。…ありがとな」



「…うん」



咲良からのプレゼントは毎年「貝がら」。
俺、昔から貝がら集めるの好きなんだよなぁ。
俺たちがまだガキの頃に、俺が貝がら集めるの好きだって言ったら咲良が毎年誕生日に貝がらをくれるようになったんだ。



「毎年本当に綺麗なのくれるよなぁ。海行って探してんの?」



「それは企業秘密よ!ほら!さっさとしまって!」



「へいへい。」



言い方はキツイけど、きっと照れ隠しなんだろうなぁとわかってしまう自分が嬉しい。



「あとね、これ…」



「え?もう一個あるの?」



剣司がもう一つの包みを開けようとした時、授業開始のチャイムが鳴った。



「それ!私が食べたかったから作っただけで、あんたのはついでだからね!」



「はぁ?」



これだけ言って咲良はさっさと席に着いてしまった。


今のでわかったことは、「食べ物」で「ついで」だってことだけだった。



「ついでってなんだよ…」とぶつぶつ言いながらも、授業を無視して机の下で包みを開ける。


すると、おいしそうなクッキーが見えた。
思わず声が出そうになって必死に抑える。


「ついでだ」と言ったのは聞いたけど、やっぱり手作りは嬉しい。
満面な笑みになるのを必死に隠す(隠せてない)。



授業が終わったら…咲良になんて声をかけよう?


きっと緊張と恥ずかしさでうまく声をかけられないだろうなぁ。


でも、君にちゃんと「ありがとう」って伝えて


少しでもいいから、君との距離を縮めたい。



end.
 

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