ギアス部屋
□9.私とあなただけが
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一度は返されてしまった騎士証。
でも貴方はそれをもう一度受け取ってくれた。
涙が出そうなくらい、嬉しかったんです。
「スザク、私あの時貴方のことを大好きになるっていったでしょう?」
いきなりだった。
彼にも言われたし、自分でもそう思ってる。
でも抑えられなかった。気付いた感情を早く伝えたくて。
ユーフェミアの問いにその時のことを思い浮かべたのか、スザクは頬を染めて苦笑いをした。
「あの時は、本当にびっくりしました。」
「ふふっ、ごめんなさい。
私ね、貴方にうそをついてしまいました」
「え?」
「スザクのことを大好きになる、と言ったんですけど・・・私もう貴方のこと大好きなんです」
困ったような微笑を浮かべて、どうしましょう?といわんばかりに首を傾げる。
さらり、と告白を2度もされてしまったスザクは、何ともいえない恥ずかしさやら何やらが入り混じった感情を抱いた。
「いや、あの、えっと・・・・・・・」
彼女のストレートすぎる愛情表現に戸惑う事しかできない。
「スザクは・・・私のこと、どう想ってますか?」
「・・・僕、は」
好きになりなさい、と言われなくても好きだった。
いや、それさえも通り越した感情かもしれない。
ユフィがいないと、だめだなぁと思ってしまう自分がいるんだ。
身分の違いさえも飛び越えてしまいたくなるぐらい・・・
「貴方が好きです、ユフィ」
久しぶりに口にした愛称。
彼女は目に涙を浮かべて頬を赤く染めて、全身で喜んでくれている。
その姿が愛おしくて愛おしくて、守りたくて。
貴女にすべてを捧げたいと思った。
今この花畑には、あなたと私だけ。
頬を心地のいい風がかすめて、くすぐったい。
お互いの愛しさが溢れて消えてしまわないように
お姫様と騎士は愛のキスを交わした。
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