ギアス部屋
□7.欲しいものはありますか
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「スザク」
「はい」
突然ユーフェミアが振り向く。
ピンクの長い髪がふわり、と揺れた。
それだけで胸の奥がきゅん、となる僕はどこかおかしいのだろうか。
「スザク?」
ぼーっとしている僕を不思議に思ったのかユフィが顔を覗きこんできた。
それが予想以上に近くて、僕の顔は火がついたように真っ赤になった。
「っ!ユ、ユフィ!///」
「はい?」
「あの・・・・、顔近い・・・」
「まぁ、すみません」
そう言って彼女は僕から離れた。
ちょっとおしかったかも、なんて思った僕はいつか、彼女の姉である第二皇女殿下に刺殺されそうだと思った。
「スザク、何か欲しいものありますか?」
「え?」
唐突な彼女の質問に驚いた。
「欲しいもの、ですか?」
「はいっ!スザクにはいつもお世話になっていますから、私何か差し上げたいと思って・・・」
「えっ、そんな!いいですよ!」
「だめっ!絶対にあげるんです!」
こうなったユフィは結構強情で、意見を曲げようとしない。
僕は観念して、「欲しいもの」へ考えを巡らせる。
そしてすぐに答えは出た。
「特に、ないですけど」
「そうですか・・・。じゃあ私、考えてみますね」
ちょっと困った顔をしながら笑う君は、本当にかわいいなぁと思う。
『君が欲しい』
なんて言ったら君はどんな顔をするだろうか?
「?何か言いましたか、スザク?」
「っ!?い、いえ!!」
「そうですか??」
今の心の声が聞こえてしまったかと思い、僕は恥ずかしさを隠すように右手で顔を覆った。
彼女が心配そうに見つめているのもこの際気にせずに。
END....
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