ギアス部屋
□2.どこへ行こうか
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彼の言葉を思い出す。
「今度、どこか行きましょうか」
初めての、スザクからのお誘い。
それが嬉しくて嬉しくて、夜も眠れないくらい嬉しくて。
思わず来てしまいました、ここまで。
特別派遣嚮導技術部、彼の仕事場まで。
「こんにちわ」
「あ、これはこれは第三皇女殿下。いらっしゃいませ〜」
変わった調子で話すスザクの上司、ロイドがユーフェミアを迎えた。
「枢木スザクは、こちらにいらっしゃいますか?」
「はいは〜い。スザクく〜ん、皇女殿下がお見えだよ〜〜」
彼はここにいるらしい。
よかった、無駄足ではなかった。
「あら、皇女殿下。すみません、スザクくんは・・・」
少し離れたところで顔を出したのはスザクのもう一人の上司、セシルだ。
彼女は困ったような笑みを浮かべている。
「ん?ど〜したのセシルくん」
「それが・・・」
セシルのほうへ行くロイドに続いて、ユーフェミアも歩いていく。
するとそこには、長椅子で眠ってしまっているスザクがいた。
「あらら〜、寝ちゃってるのスザクくん」
「えぇ・・・私がここに来たらもう眠ってて。起こした方が・・・」
「いいえ、このままでいいです」
起こそうとするセシルを止め、静かに言うユーフェミア。
そしてそのままスザクに歩み寄る。
「ですが、皇女殿下。ご用事があって来たのでは・・・」
「大丈夫です、また今度でも良いですから」
にこ、とセシルに微笑みかけ、スザクが眠っている長椅子に腰掛けた。