マクロスF部屋

□きになる あいつ
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ずっと、ずーっと気になってるものがある。
事あるごとに、よく動く若草色。


……例えば。


「おい、ランカ」


「ひゃっ!」


突然呼ばれたことに驚き、ぴょこん、と勢いよく若草色は跳ね上がる。



うん、やっぱり

「お前の髪、おもしろいよな」


「おっ、おもしろいって……ひどいよアルトくん!」

むうっと頬を膨らませるのと同時に、また若草色は彼女の感情に応えるようにふわりと上がった。


「どうなってんだ?それ」

よく動く若草色、もといランカの横髪を左右両方軽く掴む。
手にしたそれは、ふわふわとやわらかくてまさに「彼女」を纏うものにぴったりだった。


「ちょ、っとだけ痛いよ、アルトくん…」

自分では軽く掴んだつもりだったが、彼女にとっては少し辛いものだったらしい。


「あっ、悪い!」


「う、ううん!でも、あの、」

りんごのように頬を赤くして、ランカは俯き口ごもる。
アルトはその理由がわからず首を傾げるが、自分の手がランカのふかふかした頬に偶然にも触れてしまっている事と、無意識で顔を近づけてしまい今にも鼻と鼻がくっついてしまいそうな事に気付き、自分自身の顔にも熱が集中するのがわかった。


(う、わ)

「わ、悪い!」


でも、離したくない。
触れていたい。


………髪縛ってもらった時に散々触られたし、


「…もうちょっと、いいか?」

「ふぇえっ!?」

しゅん、と垂れていた彼女の横髪は、彼女が顔を上げてすぐに俺の手にじゃれるようにふわりと上がり絡み付く。


「散々俺の髪、触っただろ」

「…うう」

俺の開き直りに似た発言に、ランカは「その通りです」と言わんばかりに唸った。

「いいよな?」


「…う、うん。あの、だったら、ね」


「何だよ?」


「………な………」


「な?」


「なでなで、して?」


「なでっ………はっ!?」


アルトはランカの発言に驚き、思わず彼女の両頬から勢いよく手を離した。

真っ赤になりながらも、潤んだ瞳で上目遣いに見てくるランカに、鼓動が速くなる。


やばい、なんだこいつ

かわいすぎる



顔がにやけるのを何とか抑えながら、ランカの頭に手を伸ばし、言われたとおりに「なでなで」する。

アルトに「なでなで」されたランカは、ふにゃらと頬を緩ませて笑う。
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