マクロスF部屋
□ボーダーライン
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触れちゃいけないと、思ってた
今の曖昧な関係を壊したくなかったから
あいつには、笑っててほしい
泣かせたくない
俺の中に渦巻く醜い、汚らわしい欲望にも、
気付いてほしくなかった
知られたらきっと嫌われる
それだけは絶対に避けたい
そう思ってたのに
「……っ…んっ」
ランカに、触れたいという感情を抑えられないほどに
彼女を好きになってしまった
SMSに帰る途中に偶然ランカに会った。
兄、オズマへの差し入れに行く途中だったらしく、一緒にSMSに行くことにした。
クリーム色の薄手のワンピースから覗く白い肌が妙に気になる。
太陽の反射でピカピカ光る白い肌に目線が行き、頭の中では良からぬ妄想が始まる。
キスしたらやわらかそうだな、とか
目立つような真っ赤な跡を付けてやりたい、とか
意外にも大胆な自分の脳を否定するように力強く頭を振った。
様子のおかしい俺を気にしてか、ランカが「どうしたの?」と声をかけてきた。
お互いの鼻と鼻がくっつかんばかりの位置。
これが、俺の理性を簡単に吹っ飛ばした。
俺の気持ちも知ってか知らずか、ランカは俺の部屋にも行ってみたいと控えめに言った。
俺は小さく返事をし、部屋に向かいミシェルがいないことを確認する。
そういえばあいつ、どっか出かけるとか行ってたか。
「アルトくん、ほんとに入っていいの?」
何故か嬉しそうに聞いてくるランカに、ああ、と短く返事をして部屋の中に入るように促す。