マクロスF部屋
□君を中心に世界はまわってる
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「誕生日?ランカの」
「そっ!お前、知らなかったのか?」
SMSでの仕事が終わり、更衣室でアルトが休んでいると、ミシェルが入ってきて話を始めた。
話題はランカの誕生日。
オズマ隊長、もといランカの兄が仕事が終わった後言っていたらしい。
俺は、ランカの誕生日を知らなかったから少し驚いた。
「いつ、なんだよ?」
「三日後ですよ」
「すぐじゃねえか!」
そんなに近かったのか、と焦っていると俺の質問に答えたルカが小さく笑う。
「ナナセさんが誕生日会、企画してるみたいですよ」
「…ふーん」
「俺もルカもアルト姫も、メンバーに入ってるんだぜ」
「……へー」
「そんな気のない返事してる場合かよ?アルト姫」
顎に手を当てて、にやりといやらしく笑うミシェル。
「姫言うな!つーか、何がだよ?」
「プ・レ・ゼ・ン・ト!」
「は?」
ミシェルの言葉に何の、誰のと疑問しか出てこない。
一方ルカはミシェルの言葉を理解し、納得した顔でアルトに向き直る。
「そうですよ、アルト先輩!プレゼント買わなくちゃ!」
「だから何の」
「ランカさんの誕生日プレゼントですよ!」
両腕の拳に力を込め、アルトにずいっと迫る。
その迫力に圧倒されながらもアルトはやっと納得した。
「…お前等はもう買ったのか?」
「僕は買いましたよ、紅茶に入れるとおいしいって言うはちみつ。ミシェル先輩は?」
「俺も買ったぜ、スケジュール帳♪フォルモでデートした時、目付けといたんだ」
自分とは違い、随分前からランカの誕生日の事を考えていたミシェル。
三日前に焦っている自分との大きな違いに、無性に苛立ち、胸が苦しくなった。
あの時も、何で一緒にいるのか、妙に気になったのを覚えている。
そんなことでシェリルをフォルモまで連れてっちまったんだった。
何故ランカとミシェルが一緒にいるのを見ただけで、あんなに気になったのか未だにわからなかった。