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□君がいれば、いつだって
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いつもと同じように過ぎていく「今日」という日。
「今日」は私の生まれた日で、自分の生まれた日を人は特別だというけれど私はそう思わない。
ううん、今までは思わなかった。
葉と出会って、私は初めて生まれてきてよかったと思えたのよ。
「アンナ、入るぞ」
ノックの音とともに葉の遠慮がちな声が聞こえてきた。
「いいわよ」
いつものように素っ気なく返す。
「アンナ・・・あの、さ・・・・・」
入ってきた途端、恥ずかしそうに縮こまって、何か言いづらそうにする葉。
「・・・何?」
葉が来る少し前まで、彼のことを考えていた自分としては何とも言えない気持ちだった。
なるべくなら早く去ってほしいと思ってしまうほど・・・恥ずかしい。
「・・・今日さ、お前の誕生日だろ?だから・・・おめでとう、アンナ」
頬をほんのり染めて、気恥ずかしそうに言う葉。