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□[続]なんにも知らないふりをして
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貴方と共に数時間の夜を過ごした。
何回目なのだろう。
もう、数え切れないほど。
……浮気癖はもともとあった。
只のコミュニケーションだ、って言う貴方を信用してた。
だって私を愛してくれるから。
「……っあぁぁ!」
「 …… く、っ!」
いつからだろう。
行為の後が素っ気なくなったの。
気付いたら、ばいばいって、屯所を出てた。
「( わたしは、なんにも知らない、気付いてない。 )」
トシの浮気も、愛が少ないのも、電話がないのも、ナマエって呼んでくれなくなったのも、なにも なにも 知らないから。
空をみた。
ひどく 、虚しかった。
手放したくない。
けど、愛しているのはわたしだけ。
そんな事実がどうしようもなく重たかった。