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□アウト。
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大切なものほど失ってから
    その偉大さに気付く

これまで何度も聞いてきたフレーズ

でも、やっぱり実際に失ってみないと大切さには気がつかない訳で、



「...浮気、してるんでしょ」

「...あ?」

「私じゃ足りなかったのね。ごめんね」

少し、自嘲気味に笑ってみる

「おい、..」

「...1年間、ありがとう」

彼、こと、トシの言い分も聞かないで投げ出した。

...この時、私の心情の8割はよりを戻せる。っていう、バカみたいに甘い考え。

だって、ラブラブだったから。

でもそんなどこぞの小説みたいに上手く歯車はまわってくれなくて。

ずるずる未練がましく引きずって約1ヶ月ちょっと。

私はお仕事の関係上ターミナルにいた。

「あっ、こちらです!!!」

どこかの国のお偉いさんを見つけて手をあげる。

相手も気付いたようで。

手をあげてこちらへ向かってくる。

このまま円滑に仕事を進めようと思ったその時。




鋭い爆発音が聞こえた




「.....は...?」

あっ、と言う間もなく上から天井が落ちてきた

ああ、おわったな。という感情がひとつめ。

あっけないなあ自分、という感情がふたつめ。

トシに会いたい、 という感情がみっつめ。

意識はぷつり、と  途切れた。


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