中編

□coffee
1ページ/2ページ



家から自転車を走らせて

10分ぐらいの所にある喫茶店に

3ヶ月前からよく通っている

店内は静かな所ではないが

程よくうるさい感じだけど

すごく心地よくて気に入っている




カランッカランッ



「いらっしゃいませ

お好きな席へどうぞ」


いつも私を出迎えてくれる

店員さんは笑顔で

ここの喫茶店が気にいる理由でもある


「いつもと同じのコーヒーでいい?」


「うん」


最初はカフェオレしか飲めなかったが

少しでも大人ぽい感じを出したくて

最近はコーヒーを頼んでいるのを

覚えてくれているのが嬉しい



「お待たせしました

コーヒーです。
ゆっくりしていってね」


今日も可愛い

名前ぐらいしか知らない

名前知っているのも名札に

『茉夏』と書いているから知っているだけで

他は何も知らないが

そんな彼女のことをいつの間にか

好きになっていた

けど勇気なくてなんのアクションも起こせない

いつもと同じ

コーヒーを飲んで帰るのを繰り返していた


「昨日からポイントカード作ったので

良かったら作りませんか?」


いきなり話し掛けられて

思わず自分の顔が赤くなった気がした


「は、はい!

欲しいです」


恥ずかしい

自分がこんなにヘタレキャラだとは



「じゃあ、この紙に

名前と生年月日だけ書いてもらってもいいですか?」


「わかりました」


「後で取りに来ますね」


こんなに話したの初めてで

嬉しくてしばらくは

余韻に浸っていたら


「書き終わりましたか?

これがポイントカードです

裏面に名前書くので

ちょっとしつれいしますね」


彼女はさっき自分が書いた

紙見ながらカードに私の名前を書いてくれた


「松井珠理奈さんって言うんですね

あ、私と同い年なんですね」


「珠理奈って言います

同い年なんですね!

もっとフランクに呼んでください」


緊張しすぎて

何意味わからんこと言ってるんだと

思う

これじゃ印象悪くなったな


「じゃあ、じゅっちゃんって呼んでもいいですか?

あだ名つけるの好きで

私は向田茉夏って言います

なんとでも呼んでね」



「茉夏って呼んでもいいですか?」


今日きて本当良かった

じゅっちゃんって可愛すぎる

それに彼女の名字も知れて

同い年ってこともわかって

テンションが高くなる


「もちろん!ゆっくりしていってね」



カードの裏をみると

茉夏が書いた字が綺麗で

もっと茉夏のこと知れた気がして

嬉しかった

それと同時に自分の顔が

もっと赤くなった気がした




すっかり長く居座ってしまった


「300円です」


「じゃあ、これで」


細かいのがなくて申し訳ないと思いながら1万円出した


「9700円のお返しです

また来てねじゅっちゃん」


いつもと違い

今日はじゅっちゃんと呼ばれ

自然と私も笑顔になる

家に帰りお母さんには

「テンション高すぎるちょっとは落ち着きなさい」

って言われたが全然へこまない

いい夢でも見れそうだ
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ