記憶
□手掛かり
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「よし、付き合え。
スペイン料理だけどいいか?」
偶には上司らしく飯の一つでも連れて行くべきだろう。
例の異能力者についても何か知ってるか聞きてぇしな。
「…………。」
「…。おい、樋口どうした。」
「……。はっ!い、いえ。
あの、それは、中原幹部の御昼食に、私なんかをお供にするということでしょうか?」
「…?そのつもりだったが、嫌か?」
嫌だといわれたら…、流石に少しへこむ。
「嫌だなんて!!!!!!!滅相もないです!!!!
むしろ中原幹部はいいんですか!?
私なんて、芥川先輩に無能呼ばわりされるような屑で…。」
突然そんなことを言い出した樋口は、その後もブツブツと何かを呟いていたが、
「落ち着け、樋口。
俺は手前の実力は知らねェが、この世界で無事生きてんだ。それなりってことだろ。
それに芥川のあの性格じゃ、上司以外にはそんな感じだろ。
期待されてるから厳しくされてるって受け取って置け。
わかったら昼飯付き合え。」