記憶

□手掛かり
3ページ/5ページ




食事は基本的に自炊をする派だが、今日はそんな気分じゃねェ。



手頃な店を探しに本部から出て、黒の傘を差した。

平日なうえ雨も強くなってきたからか、みなとみらいといえども流石に人は少ない。



ここらでいいか、とネットで見つけたスペイン料理の店を目指して歩いていた。




「中原幹部!お、お疲れ様です。」


目の前で頭を下げた金髪の女。


「おう、手前も昼飯か?樋口」

金髪の女、基、芥川の部下・樋口一葉。



いつも芥川に引っ付いているのに一人とは、珍しい。



「はい、今日は午後から非番なので。

もう少しで妹の誕生日なので、なにか見繕おうとおもいまして。」




…妹いたのか。


「なるほどな、妹想いでいいじゃねえか。

で、結局昼飯は終わったのか?」




「…?いえ、まだですが。」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ