高校生

□sugar
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リョーガにならいぽすんと横になる
天井を見上げながらリョーガの言葉について考えた
でも、リョーガは私にそんなこと言って何を伝えたいの??




「蘭…」

「ん……っ」




隣に横になっていたはずのリョーガがいつの間にか私の上に覆いかぶさり私の唇を塞いだ
小さく開けた唇の隙間から押しあけるようにリョーガの舌が侵入し、私の口内を犯す




「んふっ……ぁ…」

「ん…」




大きな手が私の手を握り、指を絡める
キスだけでリョーガのことしか考えられなくなる




「リョーガは…」

「ん?」





唇が離れ、私は言葉を紡いだ




「リョーガはどうして、私を抱くの?」




下から真っ直ぐにリョーガを見つめると
切れ長の目が私を見下ろした




「蘭はどうして俺に抱かれるんだ?」

「え…っと、それは…」




どうしてだろう
私はどうしてリョーガに抱かれるんだろう
セックスしたいだけなら別にリョーガじゃなくてもいいはずなのに
私は、いつからリョーガに抱かれることを求めるようになったんだろう




「わり、質問されてんのは俺だったよな
俺がお前を抱く理由はお前がいい女だからだ」





あれ?今、どうして胸が痛くなったんだろう
リョーガからの答えを聞いて私の心はなぜか沈んだ
どうして?リョーガに「いい女」って褒められたのに…、どうして嬉しくないんだろう…




「で、お前が俺に抱かれる理由は?」

「私、は……」




どうして?どうしてだろう?
泣きそうだ、声が震てうまく言葉を発せなくなる、目の前のリョーガが霞む




「わからない……、どうしてリョーガに抱かれるのか…わかんないよ……」

「蘭?」




驚いたような声のリョーガ
しかしその表情は自分の涙のせいでよく見えなくて
リョーガの指が私の涙を拭ってくれることだけがわかった




「なーに泣いてんだ
可愛い顔が台無しだろ?って言っても、泣いた顔も可愛いけどな」




子どもをあやすような声でそう言うリョーガ
言葉も、私を撫でる仕草も信じられないくらいに優しくて涙が止まらなくなる
あぁ、そっか…私はリョーガのことが好きなんだ

何度セックスしても、一度も私たちは「好き」とか「愛してる」って言う言葉は使わなかったから、今まで気づかなかったんだ




「ごめん、リョーガ…」




私たちはただのセックスフレンド
恋人同士じゃないから束縛や嫉妬も無く
気楽に肌を重ねられる関係だったのに
私はもうその関係ではいられない




「私…、あなたが好き……」




驚いたように見開かれる茶色の瞳
この言葉を口にしてしまったら私とあなたはもう終わり
セックスフレンドではいられなくなってしまう
ごめんね、リョーガ
あなたのこと、好きになってしまって、ごめん




「わりぃ、蘭」




リョーガの手が私の頬に添えられる
低くそう言うリョーガ、いつもより弱々しく掠れた声が心臓にまで響いてくるようだ




「リョーガ…?」

「俺も蘭のことが好きだ
ってか、最初っからずっと俺はお前のことが好きだったんだ…」




すがるような声で言う
茶色の瞳が揺れる
私の心臓があり得ない速度でなっている
一瞬、時間が止まったような感覚がした




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