高校生
□sugar
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リョーガとの関係は
いわゆる恋人ではない
人肌恋しくなったらどちらともなく誘い肌を重ねる、いわゆるセックスフレンドというやつ
私はその関係に満足している
恋人と違って嫉妬とか束縛とかもないし
友達という関係よりも深いスキンシップができる
「リョーガ!!」
人に甘えたい気分のときに存分に甘えられる便利な存在がリョーガ
アメリカ育ちってこともあって日本人の私が求める程度のスキンシップはリョーガにとっては日常茶飯事レベルのことのようで快く私を受け入れてくれる
だからこうして昼間に暇していてリョーガを視界の隅にとらえるとつい触れたくなって、抱きついてしまう
「なんだ?甘えん坊」
「何でもない、無性にぎゅってしたかったの」
私をひょいとお姫様抱っこして歩き出すリョーガに連れてこられたのは彼の部屋
最近、リョーガの部屋にばかり入り浸っている気がする
ベッドに優しく降ろされ触れるだけのキスをされる
しかし、その手が私の服を乱すことはなくリョーガは私の隣に横になった
「なぁ、蘭白雪姫のストーリー知ってるか?」
「知ってるよ?どうしたの?」
「毒リンゴを食べた白雪姫がどうして助かったかわかるか?」
「王子様のキスでしょ?」
「まぁ、いろいろな描写があるけど王子のキスで助かったってやつが一般的だよな
グリム童話では、死んだ白雪姫を見かけた王子が死体でも構わないから白雪姫を貰い受けたいって言って、それを運ぶ途中に従者が棺をぶつけてその反動で喉に詰まった毒リンゴが飛び出して生き返ったって描写なんだぜ?」
「へぇ、なんかロマンチックじゃないね」
「王子はさ、白雪姫の死体を持って帰ってどーするつもりだったんだろーな」
「んー…、どうするんだろうね
まさか生き返るなんて予想もしてないはずだし??んーーー、わかんない」
そもそも、リョーガがどうしてそんなことを言うのかも私にはわからなかった
でも、ただなだれ込むようにセックスするだけじゃなく、こうしてなんの意味があるのかわからない会話をしている時間も楽しいなんて、初めて知った
「んじゃ、人魚姫の話は知ってるか?」
「人魚姫?もちろん知ってるよ」
「魔女と契約した人魚姫が、尾びれの代わりに人間の足を手に入れて砂浜に倒れてるところを王子が助けるだろ?どうして王子は砂浜に倒れてる見ず知らずの女をわざわざ城に連れて帰ったかわかるか?」
「それは、きっと王子様自身が船が難破して浜辺に打ち上げられたのを知らない娘さんに助けられたっていうバックグラウンドがあるから、自分に投影して助けたんじゃない??」
「違うな」
「え?違うの?」
「王子が浜辺に横たわっている人魚姫を助けたのは、人魚姫が裸だったからだ」
「そうなの?」
「そうだろ?だって、浜辺に知らないやつが倒れてるからって自分の家に連れ帰るか?」
「うーん、連れて帰らない…」
「だろ?」
なんか、リョーガの言いたいことが何となく読めたような気がする
「要するに、男ってそーゆー生き物なんだよ
昔っから」
「なんかおとぎ話を題材にしてそーゆーこと言われたくなーい、夢がなーい」
「本当のことだろ?
すげー美人な女がそこにいたら、そーゆーことしか考えねーもんなんだよ 世界共通でな」
「ふーん」
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