高校生

□kiss.kiss.kiss
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【入江奏多】







金色のふわふわの髪
可愛らしい丸眼鏡
見た目は間違いなく天使

でも、中身は見た目とは裏腹の悪魔
何を考えてるか底が見えなくて
どこまで本気でどこまで演技かわからない

まるで貴方の手のひらの上という舞台で踊らされているみたい




「奏多って、分かりづらい」




そう素直に言えば何を企んでいるかわからない瞳がまっすぐに私を見据える




「僕のこと、知りたい?」




天使を装った悪魔の笑顔が目の前に迫る
その熱をもった視線も貴方の演技なの?
少しずつ近く距離がもどかしい




「教えてあげても…いいよ?」




少しでも動けば触れてしまう距離まで近づき試すように言う奏多
お互いの吐息が絡む距離に胸が鳴る




「蘭、目…閉じなよ」




キレイな瞳が私を見つめる
目を閉じたらきっと唇が重なる
自分から目を閉じるということはつまり、これから起こるその行為を受け入れるということ

もちろん嫌なわけじゃない
でも、私と奏多は付き合ってるわけじゃない
私自身、奏多のことどう思ってるかなんてわからない
好きなのか、そうじゃないのか、

ただ、彼の演技の奥に隠された彼の本当の姿を知りたいとは思う
入江奏多という人間についてもっと知りたいと思うのは事実だ

私はゆっくりと目を閉じ、奏多から与えられる温もりを感じた




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