高校生

□訪問
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カズヤの横をついて歩いていくとおそらく寮なのだろう、部屋の前に着いた
102号室で、カズヤの他に入江という人と鬼という人の3人部屋らしい

カズヤは軽くノックをして部屋のドアを開けた




「おかえりなさい、徳川クン」




そう声をかけてきたのはふわふわの金髪で、丸い眼鏡をかけている優しそうな人
きっとこの人が入江さんだろうな、この見た目で鬼さんって名前ではないだろう

私もカズヤに続いて部屋に踏み入る
合宿所、というわりにはキレイな部屋に少し驚く




「その子は?」

「ハムスターです」

「「え?」」




頭の上にはてなマークを浮かべたのは私だけではない、金髪のその人もきょとんとした顔をしていた




「入江、行くぞ」

「え?鬼?」




ドアの影に隠れてわからなかったけどもう1人の同居人の鬼さんも部屋の中にいたらしい
うん、納得、鬼って名前納得した、ごめんなさい失礼だけど、と心の中で謝る




「あの関西弁の生意気なガキと打ち合ってくるか、朝までな」

「そーゆーこと、へぇ鬼って意外と気がきくんだね
それじゃ僕は跡部クンのところにでもお邪魔してこよっかな
バイバイ、可愛いハムスターちゃん」




入江さんと鬼さんはそう言って部屋を出て行ってしまった
なんだか申し訳ないな…、っていうか私いつ泊まるって言った??




「カズヤ、私 最後のバスで帰るよ?申し訳ないし…」

「あの2人が気を利かせてくれたんだ
素直に受け取ろう
それに、俺はまだお前を帰したくない…お前は、帰りたいのか?」




カズヤは私の髪を撫でてそう言った
そんな甘い声でそんなこと言われたら私だって帰りたくなくなる…むしろますます離れたくなくなっちゃう…




「私も、カズヤと離れたくないよ…
でも、迷惑にもなりたくないから明日の朝はちゃんと帰るね…
だから、今だけ…触れていたい…」




求めるようにカズヤの頬に手を添える
熱を持った視線が絡み合い、引き寄せあうように唇が重なった
ずっと、こうしたかった カズヤに触れて、たくさん感じたかった




「カズヤ…っ、んっ…」

「蘭……」




なだれ込むようにベッドに埋もれお互いの熱を貪る
なんど唇を重ねても足りなくて、私たちの間に光る銀色の糸が切なく私たちを引き寄せる




「んぁっ…カズヤ………」

「蘭、今夜は…手加減できそうにない」

「んっ…いいよ……手加減、しないで…カズヤの…全部っ、欲しい…」




自分でも恥ずかしくなるようなセリフが口から出る
でも、そんな羞恥心なんてすぐに忘れてしまうくらいカズヤからもたらされる快楽に溺れていく

体全部が、カズヤを求めている
嫌らしい水音すら、心地よくて頭がぼーっとする
あぁ、カズヤとひとつになってる…このまま溶け合ってしまえたら、どんなに気持ちいいだろう…




「カズヤっ…んぁっ、んん…ぁあっ」

「っ…蘭」




後先なんて考えないで、今この瞬間にもたらされる快楽だけを求めて私はカズヤの欲の液を中で全て受け止めた

心地よい倦怠感と下半身の幸せな痺れに飲み込まれるように瞼が重くなっていく

「愛してるよ」ってちゃんと言えたかどうか定かじゃないけど、私が意識を手放す寸前に感じたのはカズヤからの優しいキスだった




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