中学生
□…みたいなアルケー
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知らない天井だ
このベッドも、知らないベッドだ
部屋をぐるりと見渡しても俺の知ってるものはひとつもない
俺が今こうして身にまとっているのは見覚えのあるものだ
一体ここはどこだ?
ふと、ベッドの横に置いてあるテーブルに目をやると卓上カレンダーが置いてあり今の季節を知る
もうそんな季節か、など不意に思った
ずいぶん長い間眠っていたような気がする
「景吾、起きてたんだね」
突然、部屋のドアが開き女が入ってきた
馴れ馴れしく俺の名前を呼ぶその女に、俺は全く見覚えがない
「誰だ、お前」
「もう、またそれ?
私は蘭、九条蘭
いい加減覚えてよね?」
「九条?知らねぇな」
「昨日も、一昨日も、その前も
ずーっと会ってるんだよ?景吾が覚えてないだけ」
「何言ってやがる、わけのわからねぇ女だ」
頭が、痛ぇ
目の前の女が何か話してるが音としてしか認識できねぇ
うるせぇ、それ以上しゃべるんじゃねぇ
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「今日は私の誕生日なの」
お前の誕生日なんて、俺には関係のない話だ
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「メリークリスマス!!景吾」
クリスマスだ?お前と一緒に祝う気なんか更々ない
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「はいこれ、バレンタイン
ふふ、もちろん本命チョコだよ」
キレイに包装された小さな包み
1ヶ月後がホワイトデーだとか
3倍返しだとか、ふざけたことしゃべってるんじゃねぇ
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気づいたら俺の側にいて、どうでもいいことを話ては笑っているお前
お前は一体、俺の何なんだ?どうしていつもここにいる?馴れ馴れしく俺の名前を呼ぶんじゃねぇ
わけが、わからねぇ
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