妖狐

□私の目指すもの
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具合を悪くした玉藻先生を救ってくれた鵺野先生との約束通り、後日 ご飯を一緒にすることにした私たち
鵺野先生はここぞとばかりにいいお店を探してきて今日はそこに来ている




なかなか他の人に聞かれてはまずい話もあるかもしれないので個室を利用する
それに、こんなに高そうなお店だもん 緊張してしまうから個室で正直助かった




「うひょー、美味そうっ」

「全く、はしたない人ですね」




人間の鵺野先生より妖怪の玉藻先生の方がマナーがなってるってどういうことなんだろう、と思いながらもそのための個室だし、鵺野先生にきちっとしたマナーなんて期待していなかったし、気にせずに美しい料理を楽しむ




「私、鵺野先生を目指すことにしたんです」

「「え?」」




鵺野先生と玉藻先生の動きがとまり、私を見る
あれ?私、そんなに変なこと言ったかな?




「却下です 鏡花がこんなにガサツで適当で万年金欠の貧乏神に好かれるような人間になられては困ります」

「おい、玉藻 黙って聞いてりゃ」

「そうじゃなくて、鵺野先生みたいに不死身の人間になろうと思って」




前に聞いたことがある
鵺野先生は玉藻先生の炎に何度焼かれても、刃で何度切り刻まれても死ななかったって




「鵺野先生みたいな強靭な人間になれば玉藻先生も少しは安心でしょ?」

「愛されてんなぁ 玉ちゃん?」

「うるさいですよ、鵺野先生
鏡花 別にこんな人 目指さなくてもいいんですよ?」

「ううん、鵺野先生は憧れなの 不死身の肉体だし、強いし
あ、そうだ 絶鬼たんに鬼の手になってもらおうかな!」

「「絶鬼!?」」

「ってか、絶鬼たんって何だ その呼び方」

「絶鬼たんはお友達なんです
たまに遊びに行ったりするくらい仲良いんですよ?」




我ながらいい案を思いついたと思ったんだけど、またしても2人は動きを止めて私を見た
この2人、実はものすごく気があうんだなぁと思いながら私の意見を述べる




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