監督の部屋
□地獄
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灼熱地獄
針山地獄
血ノ池地獄
釜茹デ地獄
大きな包丁を持った鬼がたくさんいて
怖い顔の閻魔様がいて
そこで死んだ人たちが苦しそうな顔で罪を受けている
子どもの頃に読んだ絵本があまりに怖くて怖くてたまらなくて
鬼たちや閻魔様が夢に出てくるんじゃないかと怯えて
1人で眠れない夜もあった
悪いことをして死んだらあんなに怖いところに行ってしまうからいい子でいようと決めた
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「もっと腰振らんかい! おらっ、てめぇだけよがってないでわしを良くしてみろ」
「んぁっ……んっ…もぅ…はぁっ…、イクっ…!」
「中に出すぞぉっ!!有り難く受け取れ!!」
「んはぁぁぁっ………はぁっ…はぁ…」
灼熱地獄のように熱くて
針山地獄のように体を挿す太い男根
血ノ池地獄のようにいつも血が出て
釜茹デ地獄のように無理やりお風呂に入れられる
地獄って、悪いことをして死んだ人が行くってあの絵本には書いてあったのに
まだ生きてるのにこんな地獄のようなことを味わっている私は、悪い子なの?
悪い子だから、閻魔様が怒って死ぬ前に地獄を味わわせているの?
「ん……」
頬を伝う雫が布団を濡らす
拭いても拭いても涙が溢れて止まらない
「何 泣いてやがるクソガキが
まだ終わっとらんぞ、ほれ お前の汁と俺ので汚れちまったんだ ちゃーんと舐めてキレーにしろ」
差し出されるモノを口に含む
決していいにおいではないそれは
口の中で質量を増し、苦しくなる
「もっと深く咥えんか」
「んぐっ」
両手で頭を掴まれ私の意思に関係なく口の中を出入りするソレ
あまりに激しくされるので呼吸が追いつかず苦しくてますます涙が溢れる
「ん゛っ…いいぞぉ お前の口は最高だっ、出すぞ!一滴残らず飲み込めよぉっ」
頭をガッチリ掴まれたまま口内で脈打つモノから熱いドロリとした液体が放たれる
思わず吐き出したくなるような臭いと、独特の粘りに嗚咽がはしる
でも、この口の中の液体を溢そうものならますます苦しいことが待ってるのをわかっているから必死に喉の奥に流し込んだ
「はぁ……はぁ……はぁ…」
バタリと布団に投げ出され束の間の休息
肺が酸素を欲していて、呼吸が乱れる
「蘭」
名前を呼ばれ心臓が跳ねる
次はどんな酷いことをされるのかと体が強張る
しかし、さっきまで私の頭を掴んでいた大きな手はまるで人が変わったような優しい手つきで私の髪を梳いた
「可哀想になぁ、こんなに泣いて」
私を呼ぶ声が優しくて
私を撫でる手が温かくて
私を見つめる眼差しが穏やかで
私はまた期待する
この人は私を愛してくれている、と
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