高校生

□このままで…
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飄々として掴みどころがない
私は名前以外、彼のことを何も知らない
テニスが上手くて、イケメンで、オレンジが好きってことくらいだろうか?彼について確かに言えることはそれだけ




「ラム なにシけた顔してんだ??残念な顔がますます残念になってるぜ?」





頭の上で楽しそうな声がする
今、まさに考えていた人物が現れて心臓がはねる




「悪かったね、残念な顔で
恵まれたお顔のリョーガには私の悩みなんてわからないよーだ」




むしろわかられたら困る
私はあなたに恋をしてツライの
どうせあなたは私のことなんて何とも思っていないのだから
こうして、ちょうどいい肘置きか、からかいがいのあるヤツくらいにしか思ってないんでしょ??

あなたのそういう、何気ない態度が私の胸を締め付けてるって、あなたは知らない、知らなくていい…




「なんだ?悩んでんなら言えよ
相談なら俺に任しとけ」

「遠慮しとく」




あなたに相談したら、それは相談じゃなくてただの告白になってしまう
そんなことしたら、今のこの友達のような関係でいられなくなってしまう
私は、あなたにこの想いが届かなくてもいいの
今のこの、ちょうどいい距離で満足するから、どうか神様、このままでいさせてください…




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