高校生

□訪問
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初めて乗ったバスを降りる
山の中とは聞いていたけど本当に山の中すぎて途中で不安になった




「でも、ここで正解っぽいな」




目的地には無事に着いたらしい
山の中、というか山奥にあるこの合宿所に私の愛しい人がいる




「広いなぁ」




初めて降りるバス停
初めての山奥
初めて来る合宿所




全部が初めてなのに迷わずにここまで来れたのは私の才能か、それとも私と彼がそういう運命なのか…なんてね




「蘭?」




あ、やっぱり運命だ




「カズヤ!」

「蘭?どうしてここに?」




私の名前を紡ぐ愛しい声
その声がする方を向けば愛する人が驚いた顔で私を見ていた
溢れる気持ちを抑えきれなくて私はカズヤに抱きついた
そんな私を一切よろけることなく受け止めるカズヤ




「来ちゃった」




抱きついているからけっこうある身長差のせいでカズヤの顔を見るには少し見上げないといけない

久しぶりにこんなに近くでカズヤのこと見るけど、やっぱりカッコいいなぁ
本当に綺麗な顔してるし、スタイルいいし、こうして服の上から抱きついていてもわかる鍛えられた体




「全く…、来るならそう言え
迷わなかったか?」

「うん、平気!
カズヤのことびっくりさせたくて…
迷惑だったら、ごめんね」

「迷惑じゃないが、とりあえず行くぞ」

「? はーい」




カズヤの横を歩いて合宿所の中を歩いていく
全然ロマンチックな雰囲気とはかけ離れているはずなのに、カズヤと一緒にいられるってだけで私の心臓はドキドキしていた




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